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#2020年秋の美術・芸術!コンテスト-中間のご報告-熊谷守一展「わたしはわたし」

#2020年秋の美術・芸術 !コンテスト-中間のご報告として、基本は、ほぼ時系列に(多少の順不動お許しください)、応募いただいた作品を、1作品ごとに、ご紹介とコメントとしての評を入れさせていただき掲載させて頂きます。まずは、ご応募ありがとうございます。また、これから、応募ご希望の方も、個々の多様な、、ご自分の視点で、気軽にご応募くださいませ。

熊谷守一展 『わたしはわたし』
百葉さま 応募ありがとうございます。

伊丹市立美術館で開催で開催された(生誕140周年)「熊谷守一展」を通して、筆者の芸術に対する理念が、分かりやすく語られている。
まず、展覧会の概要が、伊丹市立美術館から引用され、そこで全体像を知ることが出来る。

熊谷守一(くまがい もりかず/1880-1977)は、記されているように、洋画から、日本画、書、そして、それらの抽象に至るまで、多くの画壇のロジックに挑戦しており、そして、孤高の人となるプロセスを歩む。そして、多くの賞や、文化勲章までも辞退したことでも著名だ。

筆者のおとづれた平日の来館者は、一枚の絵の前で、観客が観る時間の長さを挙げている。その熊谷守一の世界を自らの取り込んだときに、実に多様な思いが、そこに走るのだ。そのフレーズは、熊谷守一の姿勢をよく表現している。
それは、筆者が書く、闇の中の裸婦もそうだ。
「夜」Oil Paint-1931:闇に横たえる裸婦は、確かに存在している描写だ。その視点は、油彩(洋画)であるが、そこには、多様なロジックを持つ、熊谷守一にある部分の日本画の理念とも言える、それは、光がなくとも、モノは存在するという視点だろう。それは、池袋モンパルナスの時代だ。その暗黒の時代は、守一は、前後して、5人のお子さんのうち、なんと3人のお子さんの不幸な死が続いていたのだ。
その時期は、このようなテーマでの繰り返しの作品が続いていた。
そして、1948-1956年には、「ヤキバノカエリ」を、その時点では、非常にシンプルで明るい画調で描かれている。

このあたりは、筆者の言う「絵は才能じゃない、経験だ。- 熊谷守一」と言う言葉にも通じるだろう。
そして、筆者の造詣ある視点のように、「説明し尽くす必要なんてないんだな、伝えたいことが伝わった方がいいんだけど、解釈の自由を奪わない方がいい」と言えるところだ。
それは、熊谷守一のその時々の状況下(個としての時代の変遷)にあって、その作家としての表象(極)が、時間軸をたどって、観る側の視点(極-解釈の余地)を多様に揺すっているのだろう。
そして、熊谷守一は、同じテーマを自らの時間の変異の共に、繰り返し、描き続けたとも著名だ、それは、自分の理念というものを、絵画という表象にその極を常に探っている姿勢だ。
そのあたりを末尾に、筆者は、そういった表象の本来像をまとめているのだ。
「わたしはわたし」これは、展示会のタイトルでもあるが、筆者の「わたし」という視点で、熊谷守一という画家の壮大な人生の歩みとその画業を、短文で読みやすく、まとめられている。誰もが、美術館を見た後のような気分になり、筆者だけではなく、読者を充実した良い1日にしてくれる文章だ。

(追記)この百葉さまの文章で、熊谷守一にご興味を持たれた方、都内であれば、次女の熊谷 榧(くまがいかや)氏により設立された、豊島区立熊谷守一美術館(池袋モンパルナスの地だ)もございます。文章を拝読致しまして、私もまた、落ち着いて参りたくなりました。そして、池袋モンパルナスのコラムも書こうかなと。応募の方々から、学ぶところ多いです、ありがとうございます。

(今後のお知らせ)現時点での、次回以降のコンテストのご紹介予定は、ほぼ、時系列にご紹介、そして、コメント(評)を入れさせていただきます。
・アートの定義とは?を考えてみた Chiharu さま         
・セザンヌの本はセザンヌ・カードで! Le yusée さま
・【目印を見つけるノート】179. ラファエロとマルガリータのラブストーリィ おがたさわ さま
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このコンテスト #2020年秋の美術・芸術  は、コンテストの形式として、3名の入選はございますが、ある意味、ドクメンタ(カッセル/ドイツ-一人のディレクターによるキュレーション)の展示会ように賞はございません。
そして、主催者は、企画に才知ある秋氏のデレクションと私(artoday)のコメント(評)で構成されております。         
それは、「そもそも美術エッセイは発表の場すらない」という視点や、小生(artoday)の、もっと、身近に気軽に、美術.芸術の裾野の広がりを願っての事でもございます。
どうぞ、気軽に日常のことで、思いつかれた事を応募なさって下さいませ。

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