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リチャード・プリンスの展覧会「High Times」

リチャード・プリンスの展覧会「High Times」


2018年、ニューヨークのガゴシアンで開催されたリチャード・プリンスの展覧会「High Times」の様子

High Times

リチャード・プリンス:無題、2017

 無題1、2017  Gagosian Gallery-NY

無題、2017年、キャンバスにオイルスティック、アクリル、木炭、マットメディウム、コラージュ、インクジェット、100 x 81inch、
Gagosian Gallery-NY

Gagosian Gallery-NY
 無題2、2017年 Gagosian Gallery-NY

無題2、2017年、キャンバスにオイルスティック、木炭、アクリル、コラージュ、マットメディウム、インクジェット、107 1/2 x 93 3/4インチ、Gagosian Gallery-NY

Gagosian Gallery-NY

「High Times」には、教会的な雰囲気が・・

リチャード・プリンスのガゴシアン ギャラリー(Gagosian Gallery-NY)での展覧会「High Times」には、教会的な雰囲気があった。
30点を超える最近の作品の中には、巨大な教会のフレスコ画を思わせるものもあり、床から天井まで、人物が積み重なり、黒い部分で区切られていた。
ギャラリーを歩いていると、聖人のように顔や仕草が繰り返されているのが見える。
しかし、人物や、それらをつなぎ合わせるコラージュの技法には、高尚なところはない。リチャード・プリンスのスケッチブックからスキャン、切り取り、またはコピーされた、それらは、棒のような手足の人物である。
ニヤニヤ笑う様々な男、間抜けで麻薬を服用している男、斜視でビキニ姿のふしだらな女、ぼんやりとした点状の目と一直線の口を持つ長髪の少女。指は、手があるとしても、巨大なソーセージ状で、髪は不格好なスパイクの束になっていることが多い。

リチャード・プリンスは、色鉛筆とマーカーを使って紙にキャラクターを描いた。イメージがキャンバスに転写された後、油性スティックでその上に描いたり、チューブから絞り出したアクリル絵の具で色を強めて表面に塗り付けたりしている。 「High Times」を見ていると、下地、パーツを繋ぐ継ぎ目、アーティストの手とインクジェット プリンターの作業が接触した場所を、目が回るような探究心で探し回らなければならない。この探究は、「オリジナル」という概念に対する確信と疑念の両方を引き起こす。

「ハイ・タイムズ」のテキスト

これはプラハ在住のジャーナリストのジョーン・カッツ によるものとされているが、コンパクトな段落が連続する文章は、プリンスのウェブサイトにある「バード・トーク」ページのスタイルによく似ている。

「ハイ・タイムズ」の テキストの著者は誰であれ、この展覧会が数十年にわたる作業の集大成であり、リチャード・プリンスが、70年代前半(雑誌広告の再撮影で有名になる前)に描いた落書き、90年代後半のカラフルな「ヒッピー・ドローイング」、子供たちの作品などの情報源から引用したものである。-Richard Prince

-Richard Prince

「ハイタイムズ」は、楽しい雰囲気と形式的な遊び心があり、見ていて飽きない素晴らしいショーだ。
しかし、「ヒッピー・ドローイング」が登場してから20年の間に、プリンスは、ガゴシアン(Gagosian Gallery-NY)でいくつかのひどい作品(と言われる≒アプロプリエーション)を展示し、1970年代の盗用戦略を現代の画像とデジタルメディアに適用していた。

リチャード・プリンス(Richard Prince)

Richard Prince

リチャード・プリンス(Richard Prince,1949- /アメリカ・ニューヨークの画家、写真家)
1970年代半ば、プリンスは、アプロプリエーションにて、絵や絵画的なコラージュを制作したが、それ以降は、それらの作品を否定している。
その著作権侵害訴訟も多いが・・・それは、アプロプリエーション・アート(盗用・流用)への視点が異なるのだろう。
1977年から、プリンスはニューヨークタイムズに掲載された4枚の写真を撮影した。そして、この再撮影のプロセスは1983年まで続いた。

(註)アプロプリエーション(リフォトグラフィー)は、盗用(流用)に焦点を当てている。それは、既存の物やイメージをほとんどまたは全く改変せずに使用することだ。そして、文脈を書き換え、再発表する方法論だ。

リチャード・プリンスのアートワーク

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