ヴェネチア・ビエンナーレ(第60回2024年)で、日本館が直面した課題を考える
ヴェネチア・ビエンナーレ(第60回-2024年開催)で、日本館が直面した課題を考える
ヴェネチア・ビエンナーレ(第60回-2024年開催)で、日本館が直面した課題は、予算不足と支援体制
日本館がヴェネチア・ビエンナーレ(第60回-2024年開催)で直面した課題は、予算不足と支援体制の脆弱さに集約される。国際交流基金が提供する2400万円という予算は、他国と比較して圧倒的に少なく、アーティストやキュレーターが十分な活動を行うには不十分だ。アメリカの8億4000万円、ドイツの1億460万円、スペインの6300万円といった他国の予算と比べると、日本の現状は「世界的な舞台」で行うにはあまりにも厳しい制約を抱えている。- Tokyo Art Beat 他 参照
(註)日本の美術展・建築展は、外務省が所管する国際交流基金が主催している。
この資金不足がもたらす影響は多岐にわたる
この資金不足がもたらす影響は多岐にわたる。例えば、アーティストが自腹で出張費やパーティ会場の手配を行うケースがあるという、そのことは、国としての支援体制が欠如していることを露呈している。
また、キュレーターやアーティストへのギャランティも非常に低く、毛利悠子氏の場合、20か月間で30万円という額は、プロフェッショナルとしての労働への対価として到底妥当とは言えない。これでは、優秀な人材が国際的な舞台で活躍する意欲を削ぐ結果となりかねないと言う視点もある。
日本館は、展覧会予算として、国際交流基金から2400万円という枠が与えられ、作品制作費だけでなく、輸送費、カタログ制作費、広報といったものもすべて賄う訳だ。
ファンドレイズ・チームで
今回、大林剛郎氏(株式会社大林組 取締役会長)を中心に初めて本格的なファンドレイズ・チーム(資金調達を目的として活動するチーム)が立ち上がったものの、その実務は主にアーティストや関係者の個人的な努力に依存していた。
ただ、この時点で、本来ならば、文科省や文化庁からサポートも不可欠だろう。
国際交流基金側(外務省外廓団体)も問題点を認識しているようだ。「物価高や円安、人件費増加により費用が年々増加している」という説明は理解できるものの、それを理由に現状を正当化するだけでは根本的な解決にはならない。また、「キュレーターであるイ・スッキョン氏の謝金改訂」を述べているが、実際にどれだけ改善されるかは未知数だ、そして、その額は2400万の予算内にあるということだ。
(註)イ・スッキョン(日本館キュレーター、英国ウィットワース美術館館長)
他国の事例を鑑みると・・・特にアメリカでは、ファンドレイズが予算の9割を占めており、アーティストが自費負担する必要がない仕組みが整っている。これに対し、日本ではアーティスト自身が資金調達に奔走しなければならない現状があり、アーティストやキュレーターの負担が異常に大きい。
日本館のプレゼンス向上には、まず予算規模を拡大する事、また、ファンドレイズ(投資家から資金調達を行い、ファンドを組成する)の活用を考える事は不可欠だ。
それは、アーティストやキュレーターが創作活動に専念できる環境を整える必要があるからだ。- 外務省・国際協力資金 他参照
ただ、日本国の文科省や文化庁に資金面を担当者が当たっているはずだが・・・・
そのコンテンツの極の弱体化とは異なる
ただ、今回の表象の件(2024)ではないが、予算が少ない事と、そのコンテンツの極の弱体化とは異なる。
資金面を、調整(上記ファンドレイズ+日本国文科省、文化庁)して、強力な存在感やロジックを感じるコンテンツを制作するのがアーティストのあるべき姿かも知れない。
東京都現代美術館(MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO)が・・・1995
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