(今日のビデオ)女性作家マーサ・ロスラーのキッチンの記号論
マーサ・ロスラー(Martha Rosler,1943- /US)
アメリカのコンセプチィアル・アーティスト。
キッチンの記号論(1974/75)は、フェミニズム(女性解放思想)のビデオアートの先駆的な作品であり、初期のテレビ料理番組をパロディとして、マーサ・ロスラーがキッチンのいくつかの手工具をアルファベット順に示す。
彼女のジェスチャーが予期せぬ、恐ろしいほどの方向に向きを変えると、キャラクターは最終的に道具を省き、一種のセマフォシステム(視覚による通信)として彼女の体を使用する。この暗く、そして、ユーモラスなビデオアートは、食糧に関する女性の社会的な期待に挑戦することを意図する。広義には、記号論として、これらの期待を決定する上での言語の役割を示唆しているのだろう。
これは、理屈より、作品から、何かしらを感じ取れば、よいのかも知れないのだが・・・しかし、難関かも知れないが。
Martha Rosler - Semiotics of the Kitchen 1975
マーサ・ロスラーについては:
写真、及ぶ、写真のテキスト、ビデオ、インスタレーション、彫刻、パフォーマンスのほか、また、芸術や文化について執筆する。
ロズラーの作品は、日常生活と公共の場を中心としており、多くは、女性の経験に視点を合わせている。メディア、戦争、住宅やホームレスから通路や交通機関まで、幅広く、表彰され、建築や建築環境については、繰り返し作品化されている。
そして、マーサ・ロスラー氏は、ラトガーズ大学(ニュージャージー州ニューブランズウィック)で教授を務め、写真とメディア、他には、写真とビデオの歴史の研究行った。また、シュテーデルシュル(Städelschule/フランクフルトにある視覚芸術・建築の教育機関)で教え、カリフォルニア大学のサンディエゴおよびアーバインのキャンパスなどで客員教授、そして、その作品と業績は数多い。
Martha Rosler
(註)記号論(semiotics/semiology)とは、一般に記号といわれるモノの本質・在り方・機能を探究する学問体系だ。
記号論(記号学)での視覚情報の分析を考えてみると記号論は、視覚情報を分類、分析するうえに位置づけの1つでもある。
「万物はサインから成り立っている」チャールズ・S・パース博士
下記の3点のポイントから、展開されている。
Fig.サインの分類 (Artoday - pptx)
サインの分類
1)図像(図表) ICON:所謂デザイン(自分で決められる)アイコン、非常口、マーク
2)指標 Index:矢印、引き出し線、カーソル、マンガの吹き出し、サウンドデータ
3)象徴 Symbol:文字、数字、言語、国際的な決まり事
これらは、ハーバード大学において、パース博士が体系化をおこなったが、自身で思考する事が基本だと言われる。
(追記)余談だが、デザインされた作品(サムネイル時点でも)を、分析して客観視する時などに再考されてはいかがだろう・・