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【 聞き上手の教授に誘導質問される 】スペイン巡礼おばさん奮闘記 番外編

そう言えば、数年前まで5年間ほどアートギャラリー経営してたな〜と思い出してしまいました。

昨日のワークショップ後の懇親会で隣に座った大学教授は、ふわっとした雰囲気で鋭い所を突いてくる話術を持ち合わせていました。

「どの学部を卒業されたんですか?」

芸術学部文芸コースを卒業しましたが、入学当初は芸術教養学部でした。「手のひら芸大」で、通学は必要なく、レポート課題と試験をクリアすれば単位がいただけたからです。




「何故、その学部を選ばれたんですか?」

若い頃に一度卒業した大学は医療系で、アートとは無縁の生活をしていました。芸術教養学部を選んだのは、当時、アートギャラリーを開設することになり、何の知識も無いオーナーよりも、少しは芸術について学んでいた方が、展示会を開いてくださる作家さんとのコミュニケーションも取れ、会話も弾むのではないかと考えたからです。
でも、開設したばかりのアートギャラリーの運営と勉強を両立させるのは並大抵のことではありませんでした。いくら通学不要とは言え、自分に厳しくないと毎日の勉強時間を確保できず、レポートもやっつけの様な内容しか書けず、実際に落としてしまった科目もありました。つい睡魔に襲われて日々の勉強を後回しにしてしまった結果、3年在籍したにも関わらず14単位しか取れていなかったことに気づき、愕然としまいました。



「そもそも、通信でアートを学ぶことになったきっかけは?」

果たして、このままのんびりしていたら卒業できるのだろうか?ギャラリーの仕事の方に力を注がないといけないのに、芸術の机上理論のみを学んだとしても、果たして実際の仕事に役立つのだろうか?逡巡する日々が続きました。ある時、京都の本学で行われた体験授業に参加して(それが文芸コースのトラベルライティングの講義)そちらの方が楽しそうと思ってしまいました。文芸コースは何度か対面授業を受けに行く必要がありましたが、1人でパソコンに向かって勉強していたのとは違って、実際の授業を聴講して受けられる刺激は半端なものではありませんでした。

それで、コース変更をお願いして、その後2年で文芸コースを無事に卒業できました。トータル5年間かかりましたが、大人になってからの学び直しは脳が活性化され、精神的にも喜びに近い充実感を得られるものでした。

芸術教養学部に入学当初に申込んでいた「学芸員」の資格もなんとか得ることができました。

文芸コースの卒業制作は

「トラベルライティング」

にしました。ちょうど重なったコロナ禍で熊野古道の巡礼道を数度歩いた時に感じた思いを書きました。その卒業制作の最後に「いつかスペイン巡礼道であるサンティアゴ・デ・コンポステーラにも行ってみたい。」と記しました。

有言実行、2023年6月にスペイン巡礼道を歩く夢も叶い、現在に至っています。

スペイン巡礼おばさん奮闘記

は、こうした流れで始まりました。

怒涛のような流れで、通信教育を始めてから文芸コースを卒業し、スペイン巡礼にまで行きつきました。その間、約6年。模索し続けて来た人生の目標は、自分の力で叶えられるものだという事を実感できました。

たまたま隣に座った大学教授から優しく誘導されるように吐き出した学びの現状。こういう出合いがあるということもとても不思議に思いますが、通り過ぎただけで振り返れていなかった「道」を炙り出させてくれてありがとうございました。

まだまだ「道」は続きますし、それを何か形に残せればと思っています。

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