物語を着て、飲んで、ほおばって。
良いものを、長く使う。
これは高校生くらいの頃からの僕の課題であり、今では最も難しいものになった。
別にいいものじゃなくてもいいんだけど、一つのものを長く使っている人に憧れがある。とても。服や靴だけでなく、財布とか、手帳とか。
長く使うごとに味がでるものって沢山あるなあって思うの。
そう考えると、やっぱりこの街にはものが多すぎるなあと感じる。贅沢だなあって。
うん、でもどうなんだろう。毎日のように高い服を買う人の心はどうなってるんだろうなあ。
タンスの中のものが増えるたび心が潤うならば、もっと人々は簡単に幸せになれている気がする。
そしてこの記事を見て、ああ、僕たちには少しの身近な妄想力が必要だなあと感じた。
例えば将来の夢とか、好きな人のこととか、自分のやりたいことへの妄想力って僕ら充分にあると思う。
でも、コーヒーを飲むためのこのマグカップとか、普段よく着るTシャツとか、いつも履いている靴とか、そういうものにもちょっとだけ、素敵な妄想力が働けばいいなあなんて思うんだ。
ああ、この靴ってこうやって作られているんだあ、とか。この絵ってこういう思い描かれたのかなあとか。そういう小さな妄想が、僕たちを幸せにしてくれる。
いきなり全部のことに目を向けることはできない。ファストフード店のロゴマークや特大セールの文字はいつも僕らの目に入り込んでくる。
まずは靴一足、服一着から僕も始めてみようと思う。違和感はいっぱい感じるだろうけど...
物語を着て、飲んで、ほおばって。
幸せだろうなあ。そして幸せにはいつも小さなチャレンジがついて回る。
”楽”というハードルの2センチ上を行こう。
それではよい休日を。
さくら