大漁と設備投資で勝つ 〜漁村活性化ゲーム:Fishest〜
過去に紹介していますが、UrboLab(うぼらぼ)が主催する、ボードゲームを通して「街つくり」を考えるワークショップに参加しました。
今回体験したのは、プレイヤーが漁師と経営者になりきり、自身の経済的発展と漁村全体の活性化を目指すゲーム「Fishest」です。
漁村に関する問題をテーマにしている研究者と、ボードゲームの開発者が協力して作られた、リアリティあるボードゲームです。地域住民(漁師、漁協を含む)が、水産業の未来(あるべき姿)を考えられるように設計されています。
漁業に関して経営者という新しい視点で考えたり、海の資源管理に触れたりできます。普段の生活で関わることがない「漁業」の現実について、今回は知る機会になりました。
リアリティとゲームバランスの両方が追求され、ゲーム性としても、非常に優れていたと思います。
主催団体について
主催団体は、UrboLab(うぼらぼ)というコミュニティーです。合言葉は「ゲームを通じてまちをイノベーションする」で、ボードゲームを介して、街づくりについて考える機会を提供しています。
エスペラント語で街を意味する「Urbo」と、研究所を意味する「Lab」の掛け合わせが由来です。「ゲームを通じてまちをイノベーションする」が合言葉。学生をはじめ、どんな世代でも自由に参加できる、実践型のコミュニティーです。
ボードゲームを切り口にして、関心と行動の輪を広げることで、社会問題を解決に導くすることをミッションにしています。
ゲームの進行について
プレイヤーは漁師という設定で、自分のターンで漁に出て魚を確保し、加工場やレストランなどの施設を利用して資金を手に入れます。施設を作ると、そこに雇用が生まれます(資金とは別の得点になります)。
このゲームでは、ひとつの海に全てのプレイヤーが参入します。そうなると、高級魚(3列目の5箇所のみに生息)は数が少ないので、全ての手番が終わる頃には、大抵は枯渇してしまいます。
全プレイヤーの手番を終えた段階で、魚は一定数戻りますが、枯渇に関しては別の対策が必要になります。そこで、プレイヤーが資源管理の施設を作ることで、環境維持に貢献できます(これも別の得点になります)。
水揚げの後は、プレイヤーが「投資」のフェーズで施設を手に入れることで、実行できます。また、施設を入手すると「維持」のフェーズで出費があります。
漁→水揚げ→維持→投資→回復を繰り返しながら、経済(=資金)と社会(=雇用)と環境(=資源回復)の3要素それぞれを得点化して、総合点で勝敗を競います。
ちなみに、出費が収入を超えた場合、借金をすることも可能ですが、借金が一定数まで行くと破産(=ゲームオーバー)になります。
ゲームのヒント 〜施設の取捨選択〜
漁に出て魚を獲るのですが、ゴミと一緒に水揚げしてしまうと、その魚は市場に出せないので、収入にもつながりません。そこで登場するのが、ゴミ対策と呼ばれる施設です。
漁に出るにも船の燃料(出費)が必要なので、収入がゼロになるのは死活問題。保険のためにも優先的に手に入れたいところです。
数の少ない高級魚を狙い行くのか、大衆魚や中級魚を加工場やレストランに出して価値を上げるのかで、どこの海域を狙うのかも分れます。自分は後者を選ぶことにしたのですが、施設の維持など出費が多く出てしまい、高級魚で勝負に出たのですが、計算を間違えて破産することになりました…
ただ、他のテーブルでは大衆魚を上手く収入に変えていた人もいたので、個人的には悪くはない選択だとは思います。
私の場合は、投資に金を使いすぎていましたね…
おわりに
実際にゲームを体験した後は、研究者と開発者の両方から、今回のゲームに対する想いなどを聞くことができました。
SDGs(海の豊かさを守ろう)を踏まえながら、漁師の生計を立てていくために、自分なら何ができるかを考えることが、だいじだと仰っていました。
実際に議論するとなると、堅苦しさも感じてしまいますが、そういう話題をゲームを通じて理解に落とし込めるところが、このワークショップの良いところではないかと思います。
ゲームを始める前に、自分なりのテーマを決める時間がありました。勝利条件ではない、自分だけの取り組みです。
3つ上の写真にあるチャレンジカードのことで、海洋汚染に対するアプローチを選びました。直接的ではないかもしれないけど、ゴミ対策や資源回復を積極的に進めることにしていました。
ただ、採算を度返ししたところで、破綻してしまいましたが、こういう現実もあるということを少し知れた気がします。
また、今回の会場が東京大学の東大弥生講堂という場所で、開放的で落ち着けるような環境でした。
ブログでは、今年初のボードゲームのイベントになりましたが、こういうイベントには、今後も積極的に参加していけたらと思います。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。実際は非定期ですが、毎日更新する気持ちで取り組んでいます。あなたの人生の新たな1ページに添えるように頑張ります。何卒よろしくお願いいたします。
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