物理数学の世界 #25 〜ベクトル解析の諸定理〜
物理数学の世界。始まります!
前回はベクトル解析(ベクトル関数の微分積分)の重要な3本柱(勾配・発散・回転)について扱いました。
今回は応用編として2変数のベクトル関数について、先ほどの3本柱(勾配・発散・回転)を利用した諸定理について説明します。
キリが良いので、今年の最後を飾ることにする物理数学の世界。最後までお付き合い頂けたら幸いです。
整理したノートを公開
実際にノートにまとめてみました。まずは2変数関数によるベクトル解析の扱い方をまとめました(前回までは1変数を基本としていたため)。
後半ではガウスの発散定理とストークスの定理について説明しました。それぞれ発散と回転が関係しますが、微小要素を足していくと内部にある数量が相殺されることを利用しています。
上記の2つの定理は物理学(流体力学や電磁気学)では必ず登場するので、興味のある方は覚えておいて損はないかと思います。
ただ、実際に例題的な問題を扱わないと分かりにくいと思うので、簡単な計算問題を試してみました。発散定理を利用して、球体の体積(公式)を求めてみます。
準備として、最初に説明した2変数関数のベクトル解析の内容を駆使して、球体表面の単位法線ベクトルを求めます。今回は表面積(公式)は既知であるとして、球体表面の面積分も数値として置き換えます。
こうすることで、球体内部の体積分(球体の体積)を求めます。他にも導出の方法はあるのですが、今回は発散定理を利用した例として挙げてみました。
ベクトル解析を応用する場面
先ほども触れましたが、流体力学や電磁気学ではベクトル解析の知識が特に不可欠です。
電磁気学については、高校の物理学でも公式などで見かけますが、これらの公式の背景にあるのが、ベクトル解析の話ということです。
高校の段階ではベクトル解析の話は難しすぎるので、公式のみの登場で何とか乗り切ることになります。後にベクトル解析を習得した上で導出過程を見てみると、なかなか面白いと思います。
これらの知識は大学に進学してからにはなりますが、ベクトル解析の知識を習得した暁には、ぜひ上で紹介した記事を見ながらベクトル解析の威力を知って頂けたらと思います。
おわりに
今回はベクトル解析の3本柱(勾配・発散・回転)を応用した話を中心に扱いました。今回でベクトル解析の話は終わりになります。
このマガジンを始めてから半年が経過しました。ここまで継続してきた中で、私自身も改めて勉強になることもありました。少しずつ反響も増えてきて、本当に嬉しい限りです。
残すところあと少しという状況ですが、今年の分はここで終わりにしておこうと思います(来年も引き続きよろしくお願いします)。
次回は複素関数(もしくは連続体力学の続き)から再スタートを切れたらと考えています。それでは、良いお年をお迎えください。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。実際は非定期ですが、毎日更新する気持ちで取り組んでいます。あなたの人生の新たな1ページに添えるように頑張ります。何卒よろしくお願いいたします。
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