台風を操る魔法みたいな話
冒頭から悪ふざけが過ぎるタイトルだが、書き手の私は普通に真面目である。台風を操ることができれば、さらに私たちは恩恵を受けられるのだから。
台風と言えば、世界レベルで共通する自然災害のひとつだ。それが軽減できるだけでも有り難いこと。ついでに台風が生み出すエネルギーを発電のエネルギーに転化できれば。などなど。
マガジン『理系分野の話』に入れる記事なので、予想ついている通り、科学技術の話である。その名も「タイフーンショット計画」である。
タイフーンショット計画
横浜国立大学の台風科学技術研究センターを拠点として進められている、国家レベルのプロジェクトである。何度も言うが、魔法ではなく科学技術の話だ。
タイフーンショット計画とは、台風を人為的に制御(以下、台風制御)することで人や資産への被害を抑制するとともに、台風のエネルギーを活用して発電を行うことで、台風の脅威を恵みに変えることを目指す計画です。
いつか記事にしようと思い、スマホのお気に入りに保存しておいた。今月上旬に放送されたニュースで知ることになった。初めに聞いたときは、すごいアイデアだなと驚いた記憶がある。
あと30年以内の実現を目指している。台風のメカニズムと言うか、本質を突いたアイデアなので、素人ながら十分に達成できると思えてしまう。
台風を人為的にコントロールする
台風をコントロール(制御)するのだから、まずは台風自体がどのようなメカニズムで成り立っているのかを知る必要がある。
台風のエネルギー源は水蒸気である。強い風が吹き込むことで、水蒸気が台風の内側に運ばれて上昇し、凝結して雲になる時に熱を放出する。このとき、暖気核と呼ばれる暖かい領域が内部に作られ、これが更に強い風を吹き込ませるのである。我々から見たら、まさに地獄とも思えるサイクルである。
https://www.tmresearch.co.jp/sensor/pdf/sensor056.pdf(出典)
では、台風をコントロールする話に移ろう。現在研究として進めていることでもあるが、航空機を使って水やドライアイス等のインパクト物質を台風の上空から暖気核へ散布することで、暖気を冷やす方法が直近では提案されている。つまり、暖気核を冷やすことで、台風の一方的な成長を弱めることができるのだ。
実際に実行するとなると、素人目にまだ難点はありそうだが(航空機で台風内部に侵入するには?など)、原理的には十分に妥当なアイデアだと思う。
この辺は物理現象の話であり、台風の素過程の解明を進めてきた台風シミュレーションなんかは、私の現在の本業の土俵である。それこそ、スパコン(富岳など)の機能向上があってこそ実現したことでもある。
科学技術の恩恵
先ほども述べた通り、台風のコントロールの技術が成功すれば、まずは台風被害を軽減できる。
私は千葉県という台風の影響をあまり受けない地域に住んでいるので、想像することしかできないが、日常の平穏を完膚なきまでに破壊する悪夢を繰り返さずに済むのだ。これだけでも恩恵は格別だが、台風のエネルギーを電気エネルギーに変換する技術も研究も進められているのだ。
これもニュースで取り上げられていたことだが、専門外でプロセスの方は掴みきれなかった。でも、台風のエネルギーは素人目にも大きいだろうと予想がついてしまうので、それを電力に変換できれば良いエネルギー産業に発展するだろうと思うのだ。
自然を利用すると言う見方から、この研究活動に対して慎重な意見も多々あるようだ。確かに、人によってはバチ当たりなことにも見えてしまうのだろう。
ただ、これから異常気象がより強まる可能性のある世界の中で、この研究は貴重な存在であると私は思う。人間の日常の安寧を確保するために、科学技術でどこまで貢献できるのか。これからが楽しみである。
おわりに
今回はたまたまテレビで特集されていた、次世代の研究の話について書いた。
台風を操る魔道士と言うのは場違いだが、未来を幸福にするための魔法(科学技術)が日の目を見れるよう、イチ素人として期待したい。
そして、今後でニュースが出たときには、また勉強させていただこうと思う。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。実際は非定期ですが、毎日更新する気持ちで取り組んでいます。あなたの人生の新たな1ページに添えるように頑張ります。何卒よろしくお願いいたします。
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