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サピエンス全史とMVV

サピエンス全史を読んでみたので、特に印象に残った内容と、現代ビジネス組織に活かせる示唆について書いてみることにした。以下の内容以外にも面白い事実、というか自分自身の本質に近いものを沢山感じることができたので是非読んで頂きたい。

・ホモ・サピエンスとほかの動物との違いは、虚構を理解できることである。

・虚構とは、目の前に現れていない概念的な事象を指す。

・虚構の代表格としては、神話が挙げられる。
神話とは古代の神話はもとより、帝国の正統性に関する神話や貨幣に関する神話、資本主義に関する神話を含む。神話は目の前に物質としては現れない概念的なものでおり、生物学や物理学で説明することは難しい(大抵はできない)。神話は時代とリーダーによって移り変わり、都合が良い。

・ホモ・サピエンスは虚構の代表格とも言える神話を共有することで、顔と名前が一致しようもない数の個体が集まり、集団を形成することができた。同じ神話を共有すれば、見ず知らずの人とも協力することができた。結果として、個体としての能力では劣るホモ・サピエンス以外の動物を駆逐して地球の覇者となった。チンパンジーは100頭の群れを作ることはできるが、ローマ帝国を築くことは出来ない。

・繁栄するホモ・サピエンスの集団は常に何かの共通の神話を持ってきた。それは貨幣や宗教に始まり国という概念であり、資本主義という思想であり、株式会社という集団にも共通する。

・見ず知らずの大量の生物が言葉を交わすこともなく協力関係を築くことなどそもそも不自然である。ホモ・サピエンスは虚構を紡ぎ理解する力に基づく神話信仰に基づき、不自然とも言えるサイズの集団を形成した。

そもそも見ず知らずの他人、しかも人生の目的が多様化した現代において、そうした人たちが集まって集団を形成すること自体が不自然なことなのだと改めて感じた。何せ現代には神話が少ない。高度経済成長も、資本主義も、個人の幸せも、神話としての旬が過ぎてしまった。神話なき集団が活力を失うことは、生物としては仕方ないのかもしれない。

だからこそ、明確な神話が必要だし、それが無い企業は実はもう限界を迎えているのかもしれない。(あるいは資本主義という神話かもしれないが)

集団のリーダーは何かしらの神話を作り、組織員にそれを信じさせなければならない。宗教みたいな会社は外から見れば気味が悪いが、中にいてかつその神話を信仰していれば、非常に過ごしやすいと思う。これはホモ・サピエンスの本質として正しいのかもしれない。

と、何か自分の仕事に繋げるとすると、改めてMVVは大事だということ。日本という国の神話は終わりかけているかもしれないが、ビジネス面においては、改めて神話づくりに力を入れないといけないのかもしれない。



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