マガジンのカバー画像

Arpla board

24
思想・哲学・文学・芸術の会に所属するメンバーが書いた記事を“集めた”マガジンです。それぞれの記事の責任の所在については、各記事の著者にあります。
運営しているクリエイター

記事一覧

『失われたものたちの本』を読む

ジョン・コナリーの『失われたものたちの本』という小説を読んだ。面白かった。僕はかなり感動…

リクトー
3か月前
2

『ドン・キホーテ』を読む

『ドン・キホーテ』の再読を完了させたので、それについて書く。 この小説を読む上で注意すべ…

リクトー
4か月前
5

『ダブリナーズ』を読む

思想・哲学・文学・芸術の会 Advent Calendar 2023本稿は見出しのアドベント・カレンダーの12/…

リクトー
11か月前
8

ほんのひきだしCP・リザルトの本とF・フィッツジェラルドの本

その心はオレこそが本のグレート・ギャツビーでしょう!!!!!!!!!!!!!!!!!  …

胡散
11か月前
2

師走と黄衣の王

 まさか前回のnoteから一年経とうとしているとはね……。流石の私も何かしらの後方で腕を組ん…

胡散
11か月前
4

LGBTに理解がある人に投票したい、という20代に極左が語ったこと

「政治について教えてほしい」と、ある20代の知り合いに相談された。聞くとその人はLGBTや同性…

『フランケンシュタイン』を読む

光文社古典新訳文庫でシェリーの『フランケンシュタイン』を読んだ。とても面白かった。そこで今回はこの本について書いてみたい。 この物語の基調として、すぐれた風景の描写がある。自然はつねに美しく、称賛の対象である。それは登場人物たちを取り囲み、その魂を癒し、世界と人生を肯定する気持ちを育んでくれる。とても素晴らしいものなのだ。 そのような賛美の背景には神への愛、神からの愛がある。世界を創造した神への素直な信頼と愛が、この小説の根本には存在していると言っていい。登場人物のみんな

「自己啓発」観(非学問的走り書き)

自己啓発、とは一体何なのか。その言葉の語感からして、本来的にその意味は「自己を啓蒙する」…

仏教経典『ダンマパダ』をテキストマイニングしてみた

はじめに本記事は思想・哲学・文学・芸術の会のアドベントカレンダー2022用に作成しました。 …

ウボンヌ
2年前
6

音楽は少しずつ静かになっている―音圧戦争の後にASMRが再発見したノイズの“親密性”

音楽は年々静かになりつつある。1960年から2021年までのビルボードチャートを調査した研究によ…

村野四郎の詩をよむ

我々のこころの中にはじつにさまざまな記憶が散らばっている。嬉しかったことや悲しかったこと…

リクトー
1年前
12

クリスマス・キャロルと義経千本桜

おはようございます。今日は2022年12月17日の土曜日、クリスマスまであと八夜です。はやい。 …

胡散
1年前
5

『カラマーゾフの兄弟』を読む

Advent Calendar本稿は、思想・哲学・文学・芸術の会 Advent Calendar 2022 の12/4分に当…

リクトー
2年前
7

『日はまた昇る』を読む

ヘミングウェイの『日はまた昇る』を端的に言い表すと、これは「耐える」文学である。我々はこの本を通じて、苦しみに耐える人の在り方を学ぶことができる。実際に主人公は作中で、耐えること以外には何もしないのだ。何も事件は起こらない。物語と呼べるものも一切ない。これは驚くほど何もない小説だと言える。 本稿では新潮文庫の高見浩訳を用いる。 難解な小説この小説はきわめて読解が難しい。これほど難解な小説もなかなかないだろう。 たとえば、冒頭が分かりにくい。小説の冒頭の記述は多くの場合、