『フランケンシュタイン』を読む
光文社古典新訳文庫でシェリーの『フランケンシュタイン』を読んだ。とても面白かった。そこで今回はこの本について書いてみたい。
この物語の基調として、すぐれた風景の描写がある。自然はつねに美しく、称賛の対象である。それは登場人物たちを取り囲み、その魂を癒し、世界と人生を肯定する気持ちを育んでくれる。とても素晴らしいものなのだ。
そのような賛美の背景には神への愛、神からの愛がある。世界を創造した神への素直な信頼と愛が、この小説の根本には存在していると言っていい。登場人物のみんな