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社内婚であることを社内でひた隠しにしている
私の嫁さんは、同じ会社の同期である。
出会いは二年目の時であった。
私たちが一年目だった時はコロナが開始した直後だったので、会う機会は少なかったが、二年目からポツポツと同期で集まることが増え、その中で嫁さんと仲良くなった。そのうちに二人で出かけるようになり、二年ほどの交際期間を経て、結婚に至った。
付き合っている時は、別れた際、周囲にあり得ないほど気を遣わせることになるので、言わなかった。
さて、問題は結婚した時である。
うちの会社では、結婚したら報告する文化がある。大っぴらに公表しないにしても、10人前後の単位で構成されるチームの人や、その上の部長には言うのが常であった。
私は、みんなに言うか迷った。
もし言った場合、「どんな人なん?」「どこで知り合ったん?」と聞かれるのは必至である。そこで私が正直に、「うちの会社で、あの辺に座ってる人です」と言ってしまうと、嫁さんが変に注目されてしまう。そして、私がちょっと恥ずかしい。
初めての家族会議を行い、私が「ひた隠しにしようと思う」と言うと「異議なし」との回答。ここから、社内婚ひた隠し生活が始まった。
結婚したら各種申請をしないといけないので、申請の承認者である上司には事後報告をしたが、他のみんなには何も言わなかった。ただ指輪は付けていたので、ある日先輩に「なんか、、光ってますね?」と言われたりしたが、「そう、最近買ったんですよ」とか、適当に誤魔化したりしていた。
問題は、突然やってきた。
会社内で大きな部署移動があり、うちのチームでも二、三人の出入りがあった。出入りに伴い歓送迎会をしたのだが、その時に、新しく入ってきた方が、一言おっしゃられた。
「あれ、〇〇さんの旦那さん?」
臨戦体制である。全身の毛が逆立つ。四つん這いになり腰を低くし、いつでも飛びかかれる体制となった。爪を地面にめり込ませ、尻尾は緩やかなカーブを描いている。
「え、何の話ですか?」「えー?誰と間違えてるんでしょう?」とか、なんとか誤魔化した。チームの人からも特に詳しく聞かれることはなかったが、それはそれは変な空気になった。やり過ごせたかどうかは定かでは無い。厄介な人がチームに来てしまった。てか、なんで知ってんねん。
「その人、私のチームから行った人やわ。私みんなに言うててん」
家に帰ったら、嫁さんから、衝撃の一言である。
「え?ひた隠しにしよか言うたら、異議なして言うてへんかった??」
「それは(私)の話やろ?私は言うたよ。多分フロアで私の結婚相手が周りに知られてないと思ってんの、(私)だけやで」
あの変な空気はそういうことか。
めっっっちゃ、恥ずかしいな?
社内婚ひた隠し生活は、唐突に終わりを迎えた。
私と同じように、社内婚を社内にひた隠しにしようとしてる人、もしおったら諦めや。
多分、全部バレてんで。