嫌な気持ちに点数をつける
先日在宅で仕事をしていると、友達とに遊びに出かけた長女が出かけて間もなく帰ってきました。
どうしたのかと思っていると、泣きながら仕事部屋に入ってきました。
本人に話を聞くと公園で友達とドッジボールをしていたら、近くのベンチでSwitchで遊んでいたお兄さん(娘曰く小学生高学年)に当たってしまった。すみませんと頭を下げたのにひどく怒って、許してくれなかった、とのこと。
事の経緯
怒られて怖かったこと、許してもらえなかったことがショックで、1人で帰宅してきた娘。
しばらく話をうんうん聞いていると、「明日学校に行きたくない」と。
長女は嫌なことに対する耐性が低く(嫌な気持ちに向き合う方法がまだ分からない&不安症)何か面白くないことがあるとすぐに「学校に行きたくない」と言うのでどう答えようか迷いましたが、「いいよ」とも「頑張っていこう」とも言わず、「行きたくないんだね」と受容し、何が心配で学校に行きたくないのか理由を聞きました。
一通り聞いた後、「嫌なことがあったね。今日はTVを見てリラックスしてすごしたら?」と提案すると、少し気を取り直してリビングに向かいました。
娘の収まらない怒り
大好きなTVも見られてすっかり気分も持ち直したかと思いきや、夕食時にまたボールをぶつけてしまったお兄さんの話が。
「謝ったんだから許してくれたっていいのに。あんなに怒らなくてもいいのに」と、怒られたことに罪悪感を感じ、その罪悪感に耐えられず自分を正当化し相手に逆ギレしていたのでした。
そして「明日は学校に行きたくない」と。
いつもであれば「じゃあ行かなくていいよ」と答えてしまうのですが、ふと(自分も会社で本当に辛いことがあったら行きたくないな)という思いが頭をよぎりました。
自分が会社に行きたくない時は本当に心が辛い時。長女は今どの位のレベルで行きたくないんだろう?と思い、聞いてみました。
私:「長女ちゃんにとって一番嫌なこと、辛いことってどんなこと?」
娘:「ママが死んじゃうこと」
私:「じゃあ、ママが死んじゃうことが10だとしたら、今日の嫌な出来事はどのくらい?」
娘:「・・・8くらい」
そうか。娘にとっては結構なレベルで辛いんだな。
本人に辛さの点数付をしてもらうことで、その出来事をどう捉えているかのレベル感を知ることができました。
点数を聞いて「それは結構辛いね。そういう時は早く寝るといいよ。寝れば辛いことは考えられないから。それに朝になったら嫌な気持ちのレベルが下がるかもしれない」と声をかけて、その日は「学校に行く/行かない」の結論はお預けにしました。
一晩経った娘の気持ち
翌朝、起きてきた長女はやはり「学校に行きたくない」と言いました。ここでも結論は出さず、「とりあえず支度は進めようか。最後の最後で決めよう。」と促しました。
支度を進めていると長女がやってきました。
娘:「ママ。昨日の嫌なこと、今日は4点くらい」
私:「4点に下がったんだね。昨日寝たおかげかな。4点なら頑張れそう?」
娘:「うーん、まぁ。じゃあ頑張って行くから帰ってきたらアイス食べていい?」
私:「楽しみがあれば頑張れるね。いいよ。帰ってきたらアイス食べよう」
感情を見える化する
正直なところ、翌朝になって嫌な気持ちの点数付を長女自身が行うとは想定していませんでした。
でも、気持ちに点数をつけてそのレベル感を見える化したことで、本人も「これなら頑張れるかも」と思うことができたようです。
感情の点数付けは認知行動療法の手法の1つですが、子どもにもわかりやすく、娘が自分の気持ちを整理する手助けになりました。
親にとっても、子どもが感じている感情を親の価値観で判断するのではなく、本人が感じているままに受け取ることができるので、子どもの気持ちに共感しやすくなります。
長女がまた嫌な気持ち・辛い気持ちから抜け出せない時は、今回同様感情の点数化をしてその状況を俯瞰してみられるようにしようと思います。