なぜ映画「ダイハード」は日系企業を選んだのか?~1985年プラザ合意の3年後
45才公務員👉無職おじさんの「ありのこ」です。
2023年に潰瘍性大腸炎という病気(=難病)のため国家公務員を当てもなく退職。
今は無職・無収入でお金はありませんが、時間だけは無限にあります。
時間があるので昔の映画について語っていきたいと思います。
「ダイハード」という映画があります。
1988年に大ヒットしたアメリカ映画です。
映画「ダイハード」の内容は
です。
このYouTubeは漫画家・山田玲司先生の動画です。
「山田玲司のヤングサンデー」というYouTubeチャンネルがあります。
・山田玲司先生がこだわるプラザ合意
「山田玲司のヤングサンデー」にて山田玲司先生は「1985年プラザ合意」をよく取り上げます。
「プラザ合意」で日本に不利な約束をアメリカに飲まされた。
ドル高を是正するために。
日本にとっては円安から円高にさせられます。
円高は輸出に不利。
日本にとって「困った!」がプラザ合意でした。
そのプラザ合意から3年後の1988年に「ダイハード」が公開されます。
「ダイハード」がおもしろいのは「物語の舞台が日系企業・ナカトミ商事である」こと。
わざわざ日系企業にしている。
1988年の日本経済は絶好調でした。
「プラザ合意」ではアメリカに煮え湯を飲まされた日本・・・だったのに。
円高不況対策=プラザ合意対策のため日本は金利を下げました。
金利引き下げはむずかしい言葉で金融緩和と言います。
金融緩和は景気刺激策です。
金利引き下げ=金融緩和により日本経済は空前絶後の絶好調になります。
・1980年後半 日本経済TUEEEE(つええええー)主人公の妻は日系企業に勤務
日本経済がこれだけ絶好調。
だから「ダイハード」の舞台を日系企業にしたのだと思います。
事件はクソデカい立派なビルで起こります。
立派なビルは日本経済の象徴にも見えます。
「ダイハード」が公開された翌年・1989年に三菱地所がロックフェラーセンターを買います。
ほんとうに日系企業がアメリカのクソでかい立派なビルを買っちゃった。
三菱地所のロックフェラー買収でアメリカ人のジャパンバッシング(日本叩き)が過熱。
火に油を注ぐ。
1980年代後半、日本は叩くべき相手だったのです。
今では考えられません。
アメリカにとって叩くべき相手はソ連でした。
第2次大戦後、冷戦になってからずっとアメリカの脅威はソ連でした。
しかし「ダイハード」が公開された1988年になると「実はソ連より日本の方が脅威じゃない?」とアメリカ人が感じていたようです。
実際にソ連は1991年に消滅します。
そして実際に1989年にロックフェラーが日本企業の手に落ちます。
映画「ダイハード」。
ナカトミ商事の日本人は「真珠湾がダメならテープデッキで大勝利」というジャパニーズおやじギャグをかましています。
「日本製品がアメリカで売れまくっている」という意味です。
「日本はアメリカに軍事の戦争では負けたけど経済の戦争では勝った」という意味。
しかしアメリカから見ればどうでしょうか?
日本(経済)は屈辱であり脅威だったはずです。
かと言って日本はソ連のように共産主義独裁国家ではありません。
日本は資本主義経済&民主主義国家です。
あからさまに「日本=悪」と言うわけにもいかない。
アメリカ人の日本に対する複雑な感情が「ダイハード」ではチラッチラッと見えます。
大きなビルに入っている日系企業・ナカトミ商事。
そして主人公の妻(=白人女性)はその日系企業・ナカトミ商事の社員です。
やはりどこかアメリカの屈折した気分を反映している。
・未来予測はむずかしい バブルははじけてからバブルだとわかる
「ダイハード」の公開から35年以上経った現在から振り返ると「アメリカ人は日本に脅威を持つ必要はなかった」わけです。
1980年代後半、空前絶後の絶好調だった日本経済。
この時の日本経済は後にこう呼ばれます。
バブル経済。
バブルははじけてからバブルだったと気づく。
三菱地所は約5年でロックフェラーを手放します。
日本経済の低迷は一時的なものにはとどまりませんでした。
日本経済は「失われた20年」と呼ばれ、さらに「失われた30年」と呼ばれ・・・もう失われているのが普通であり、失われているのが普通なら失われたと言わないんじゃないか、そんな感じです。
1980年代後半に「中華人民共和国がアメリカの脅威になりまくる」と予測していた人がどれくらいアメリカにいたでしょうか?
「敵はソ連にあり!」から「敵は日本にあり!」と変わるのが限界。
「日本なんぞ将来は恐るるに足らず!将来の敵は中華人民共和国だ!」と予測するのはかなり難しかったはず。
日本がアメリカに脅威を与えた時代を思い返すと「どんなことでも未来予測はむずかしい」ことを実感します。
・それでも日本人(アジア人?)には配慮していた 人種ポリコレについて
映画「ダイハード」には「アメリカ人の日本人への屈折した感情」がチラチラ見えます。
でもナカトミ商事社長・ジョセフ・ヨシノブ・タカギはかなり立派な人物として描いています。
(正確には日本人ではなく日本生まれの日系アメリカ人)
日系企業がターゲットにされたので日本人(に見える人)には配慮したようにも見えます。
「ダイハード」の主人公は白人男性です。
1980年代のヒット映画のパターン「白人男性が大活躍」です。
でも黒人にも配慮しているように感じました。
ディズニー映画などハリウッド映画はかなり過激なポリコレ映画を作っています。
0か100か極端な作品の作り方です。
すでに「人魚姫を黒人が演じる時代」に突入しました。
「ダイハード」はかなり古い映画なのに現実的な人種ポリコレ映画として参考になります。
<以下はChatGPTによるまとめ(箇条書き)です>
映画「ダイハード」について
1988年公開のアメリカ映画。
13名の武装集団がロサンゼルスの大ビルを占拠。
主人公の白人男性刑事が武装集団に立ち向かうストーリー。
山田玲司先生とプラザ合意
「山田玲司のヤングサンデー」で1985年のプラザ合意を頻繁に取り上げる。
映画「ダイハード」はプラザ合意の3年後。
日系企業が舞台の理由
1988年、日本経済が絶好調。
プラザ合意の影響で円高、輸出に不利な状況を打破するための金融緩和が背景に。
立派なビルの象徴
映画の舞台であるビルは日本経済の象徴。
1989年、三菱地所がロックフェラーセンターを買収し、ジャパンバッシングが過熱。
アメリカの日本観
ソ連崩壊直前、日本の経済力がアメリカにとって脅威と感じられていた。
映画内の日本人描写
ナカトミ商事社長のジョセフ・ヨシノブ・タカギは立派な人物として描かれる。
主人公の妻は日系企業に勤務し、アメリカの屈折した感情を反映。
未来予測の難しさ
バブル経済の後、日本経済は「失われた20年」へ。
未来予測の難しさを実感する時代背景。
人種ポリコレの観点
「ダイハード」は現実的な人種ポリコレ映画。
主人公は白人男性だが、黒人にも配慮した描写がある。
1980年代と現代の比較
1980年代後半、日本はアメリカにとって叩くべき相手だった。
現在のポリコレ映画と比べると「ダイハード」はバランスの取れた描写。
note記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
現在、私は潰瘍性大腸炎という難病のため無職・無収入です。
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