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【ぶらりと美術館】アートを通して自分の世界を広げる

今回は前回に引き続き、美術鑑賞において、さまざまな見方を紹介する。


自分なりのストーリーを作品の中に作り出す

作品の中で何が起きているかを考えると、自ずと作品の印象が強まり、干渉が細くなる。そして、自分なりの見方が生まれる。

五感をフル回転して、作品と向き合う

視覚だけでなく、音、肌触り、味、匂いなど、五感をフルに活用して作品を見るようにすると、より豊かな鑑賞体験が得られる。

例えば、こちらの絵を見てみよう。

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19世紀ロシア画家イヴァン・アイヴァゾフスキーの作品の一つである。まるで自分が海にいるような感覚に陥る。さらには海のザザーというさざなみの音も聞こえてくる。

潮の匂い、生暖かい風、月光が降り注ぐ情景を思い浮かべる。あたかも自分が絵画の中に入り込んだような感覚になる。

鑑賞したものを反芻し、体験を自分のものにする

見てきた展示会や作品について、後から思い出して味わい直すようにしてみよう。そうすることで、鑑賞体験が血肉化する。

美術に限らず、経験したことを後で思い返してみることは、自分の中にそれを定着させるのに有効な方法である。

勉強でも習いっぱなしでは何も身につかない。しかし、復習するとしっかりと身につく。これと同じである。

「見て終わり」にせず、鑑賞日記をつけたり、誰かと語り合ったりと、見たことを反芻して、自分の中に定着させると価値が増す。

シャーロック・ホームズになりきる

シャーロック・ホームズのように細かい部分に注目すれば、それまでは気づかなかったこと、考え付かなかったことを発見することができる。

認知心理学や大脳生理学の研究によれば、私たちの脳は物事を考えるとき、「多くのことをいっぺんに」考えられるようにはできていない。物事を考えるには「1つのことを順番に」していくと良いのである。

同様に、美術鑑賞でも「細かい部分を1つずつ見ていく」ようにすると、何かが見えてくる。

絵の様子を言葉で説明する

ディスクリプション(description)とは、「説明」という意味で、美術作品であれば、それがどのようなものかを言葉で言い表すことである。

作品を言葉で説明することで味方が鋭くなる。主題だけではなく、周囲や背景にも目を向けられれば、上級の見方に一歩踏み出して言える。

もしも〇〇だったら

作品を別の視点で見てみよう。例えば、有名なモナリザ。一見すると、モナリザは優しく微笑む女性である。しかし、思考を変えて、モナリザを男性としてみよう。どうだろうか、今までとは異なる視点になったのではないだろうか。

まとめ

このように、1つの見方に固執せず、他の見方を探してみよう。そして、どんどん「問」を出そう。なんでこうなのか?この背景はなんだろうか?なんで笑っているのか?そして、仮説でも良いからその問いに対する答えを何通りも考えてみよう。

最後に、色んな人と意見を交換し、自分の世界を広げていこう。


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