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ワインパミスパウダー

ワインの製造過程でどうしても発生する搾りカス「パミス」。
この本来なら捨ててしまうはずの物のうち、種は過去記事にも書いている通りシードオイルやコーヒーにする方法がわかっているけど、今回は「皮」の話。

協力してくださってるパン屋さんが全部ほしいとの事で用意した粉。
ぶどう約130kg分のパミスパウダーは最終的に全部で1kg強に。

まだ食品衛生検査に出していないのと、製粉販売の届け出を保健所に出していない関係で売る事はできないので協力してくださってもらってるパン屋さんも試作という名目で作ってもらっている段階でもちろんこれを使用して作ったパンを売らないでくださいとは言ってあります。
現状だと保健所との兼ね合いもあり自社(仮)商品第一号はワイン用ブドウの納品かもしくはこのパミスパウダーのパン屋さんへの納品になりそうな雰囲気です。

パミスパウダーを焼いたパンの上にそのままふるってみた。
すごくワイン色。香りもワイン。
味はというと、糖はアルコールになってなくなっているので酸味で酸っぱい。
粉砕前に一応洗っているのと乾燥させてるからか特に酔ったりはしないようだ。
ところでこの粉、水分を弾く力が凄くて上に塗ろうとしたハチミツがスライムみたいに滑る滑る。

当面の目標は急速乾燥の手段を見つける事。
これが構築できれば白ぶどうのパミスパウダーもいけると思う。
白ぶどうのほうが酸味や香りが赤ぶどうに比べてもフレッシュさが強い。
が、ミスした時の腐敗リスクも赤よりは高いのがネック。
それのために電動ふるいを買いました。

配合率の少ないパミスパン(※)
配合率1.66倍のパミスパン
(※)のパンは左のパン
中はクリームなどの入ったリッチなパン
右は非イーストのパミスから作った天然酵母発酵のパン
つまり(パミス酵母xパミスパウダー)。

開発開始から3年ほど経ちましたが、パン屋さん次第ではありますが自分的にはパンはもうこれで完成形かなと。パミス配合率はむしろ低いほうがいい感じがしました。やはりイースト酵母の香りは強いおかげで、常温時はほぼ香りがせず、焼く事によって香りが開きパンを割いた時にワインの芳醇な香りが漂ってくるパンとなります。一方天然酵母パンはイーストではないからか常温でもワインのいい香りがします。熱を入れたらより一層芳醇な香りがしました。

★:そしてここが一番重要な文面。
パウダーの舌触りは普通に抹茶のような完全なパウダー状。
粒子の粗さも感じず一般的なパミスパウダー特有のジャリジャリした感じの口当たりの悪さも一切なく、抹茶(極端に言うと薄力粉)をなめるのと食感が同じ。この食感を作りだすのに時間がかかりました。

自分がワイナリーで仕事をしている関係でパミスパウダーを作るにしても、ぶどうを育てるところから搾りかすになって加工するところまでを一貫生産で行える利点があり、現状これを真似できるところは多くないと見ています。現在は所属ワイナリーの行為に甘えていますが、いずれは自社農園のぶどうのみでこういった商品を売っていけたらいいなと思っています。
(なんとパミスを仕入れるという意味での原価はほぼ0円。機械の初期投資分だけでいい上にその機械の値段が10万~20万もあれば作れる手軽さがいいパミスパウダー。)

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