読書感想文を書く。本を愛する人に、この本を届けたくて。|世界でいちばん透きとおった物語
私の記事を読んで、PONOさんが「note感想回想文」というものを書いてくださった。
「noteのタイムライン上で1万字を超える長文、果たして最後まで読んでもらえるのだろうか?」
たとえほんの一部分とはいえ、私と家族のことを語るのに、いつもの5000字ではとてもおさまらない。書き始めたら確実に1万字を超えることがわかっていた。挑戦の意味も含めて、いつも以上に熱を込めて書いた記事。
私は自分が発信した記事を、読み手の方が煮ようが焼こうがどう調理してもらってもいいと思っている。(ただし、自分の意見と違うからと、誹謗中傷するのはやめてほしい。なぜなら傷つくから)
私自身は「考えること」が大好きで、だから「考えるキッカケ」をくれる文章が大好きで、私は「自分が読みたいと思う文章を書く」と決めて書いている。
つまり、私の記事を読み、イラつこうがモヤろうが気持ち悪いと思われようが、読んでくれた方の何か考えるキッカケになれることが、私にとって一番幸せなことである。
PONOさんは私に、最高のご褒美をくれた。
そしてこの言葉だけでなく、「私が読みたかったこと」を、PONOさんは全力で書いてくださった。
本来ならPONOさんが書いてくださった内容について、ここに感想を書きたいところだが、遠い違国に住むPONOさんに対し、言葉にできることが見つからず「”日本語で話して”という気持ちになった。」ということを、正直にコメントした。
「日本語で話して」
この言葉は、PONOさんがおススメして下さった漫画『違国日記』に出てくる名ゼリフである。
PONOさんはこう返信してくださった。とても優しい方だ。
私は感想文を書くことが苦手である。
いまここにPONOさんのnote感想文を書けないように、読書感想文も私には書けない。
私が今までnoteに書いてきた小説の感想文は、読書感想文というよりも、大抵の場合「物語の本筋」から外れた、ただ本の中から「心に引っかかった一文」を切り取り、それをキッカケに私が思考したことを書くだけの自分語り。
私はどこまでいっても自分のことしか書けない人間である。
自分語り抜きにして、何かの感想を書くことが私には難しい。自分語りすることでしか、自分の気持ちが人に伝わるよううまく言語化することができない。
noteには、読書感想文やコメントを含むnote感想文を、自分語りを入れることなく、ご自身の言葉だけで心を込めて書かれている方がたくさんいるが、私に真似できるものではなく、いつも尊敬のまなざしで読ませていただいている。
ここでもPONOさんの文章から、記事の本筋から外れた一部を切り取らせてもらおうと思う。
これは私がいつもやっていることではないか!
PONOさんのさすがの言葉選びに感動する。
そして、タイトルにある「note感想回想文」という言葉が気になった。
「回想」とは、なんぞや?
調べてみた。
「私が書く感想文は、とても感想文とは言えないよなぁ、でも他になんて言っていいのかわからないんだよなぁ。」
そんな私の悩みを解消してくれたのが、PONOさんのタイトルにあった「感想回想文」という言葉だった。
これだよ!コレ!!!
PONOさんから使用許可を得て、ありがたくマガジンタイトルに使わせてもらうことにする。
私のnoteは、「お金」「幸せ」がテーマとなっている。
お金の記事や、自己啓発本について書いた記事とは違い、この「読書感想回想文」は、読む人によってはとても気持ちわるさを感じる記事ではなかろうかと思う。
それでも、私の書く「読書感想回想文」を、もしも「おもしろい!」と思ってくれる人がいたならば、その人は私と同じく、相当な「考えること大好きオタク」なんだろうなと勝手ながら思っている。
そして、考える⇒”本当の本当の私”と向き合うことは、自分なりの幸せを見つけるために必要不可欠であると、私は信じている。
私にとって、考えるキッカケをくれる文章と言うのは、イコール「幸せのヒント」なのだ。
いつも以上に前書きが長くなりすぎてしまったが、タイトルにあるように、今日の記事の本文は、杉井光さん著『世界でいちばん透きとおった物語』の読書感想文である。
今回書くのは、読書感想回想文ではなく、読書感想文。
上に書いてきたように、私は語彙力や表現力が乏しく、自分語り抜きでは感想文を書けない。
だから、「これは素晴らしい! みんなにもぜひおススメしたい本だ」と感じても、その素晴らしさを表現するのに必要な「自分語り」ができない場合、noteで紹介することをずっと諦めてきた。
でもこの本は、まったく自分語りできないが、それでもnoteで紹介したいと思った、はじめての本である。
これもひとつの挑戦として、今日は読書感想文を書いてみる。
(前書き2100字💛全4700字)
『世界でいちばん透きとおった物語』
noteで出会った本だった。
この本の感想を書くのは私でなくとも難しいと思う。なぜなら、この本は「絶対に!」ネタバレ厳禁の本だからだ。
そして、そのネタバレ厳禁のラスト以外は、とりたてて大きな特徴のない「ふつうに面白い本」だからだ。(あくまで私個人の感想)
絶対にネタバレ厳禁だから、自分が読む前に人の感想文やレビューを見ることはあまりお勧めしない。
私がなぜこの本に興味を持ったのか?
それは、この本の「絶対ネタバレ厳禁! 衝撃のラスト!」というやつが、紙の本でしか表現できないものだと知ったからだ。
電子書籍は出ていない。
すぐにamazonに飛んだ。
読みたい、読みたい、読みたい!!
私がこの本を知ったのは6月はじめだったが、そのころamazonを含むネット上にはどこも在庫がなく、中古本が1400円とか、文庫本の定価の倍くらいの値段で売られていた。
レビューをみると「書店にはあるかも」みたいなことが書かれていたため探しに行ったら、2店舗目で見つけることができた。
今はamazonにも在庫がある。
『世界でいちばん透きとおった物語』
タイトルも表紙も美しく、手に取っただけで何だか幸せな気持ちになった。
本には、「透きとおった帯」がついている。
購入してカバーをつけてもらい、すぐに本の中身をパラパラと確認する。
紙の本ならではということで、さっき目にした”透きとおった帯”のような、うしろが透ける特殊な紙が使用されているのではないか?
そんなふうに考えての行動だったが、もちろんそんなわかりやすい単純なラストではなかった。
私が小説を読む理由は「物語をたのしむ」というよりも、「考えるキッカケ(幸せのヒント)」を探したり、登場人物ひとりひとりに興味を持ち、話の中で描かれる心理描写で様々な人のこころを知ることを大きな目的としている。
本を読みながら、今の自分に必要な言葉、前に進むための勇気をくれる素敵な名言、モヤモヤしたりネガティブなジャッジなど、自分の心を少しでも揺れ動かす表現や言葉を常に探している。
私は小説を読むのがとても遅い。
幸せのヒントを見つけるたびに、本を持った手は一切動かなくなる。
この本を3分の1ほど読み進めたころ、ものすごい違和感を感じた。
私は自分が購入した本には、多少でも気になった文章にはどんどん付箋を貼っていく。
この本にはまだ一枚の付箋もない。ページをめくる手が止まることもなかった。
何ひとつ心が動いていない。
ラストが楽しみなワクワク以外は、『鬼滅の刃』水の呼吸 拾壱ノ型 【凪】 の中にいるようだった。
小説家の書く言葉には、人の心を動かすチカラがある。
3分の1を過ぎるまで何も引っかかりを見つけられないのは、私が小説を読み始めて初めてのことだった。
だけどけしてつまらないわけではなく、とても読みやすくふつうに面白いのだ。そして何より、衝撃のラストというやつに早く出会いたくてしょうがない。
違和感を感じたら、ようやくこんなワードが引っかかってきた。
私は「創作する人」ではないため、「創作する人」の気持ちはわからない。
伝えたいことがあって書くわけではない、そんな作家もいるものなのか。
この本の著者 杉井光さんもそのタイプか?
だからメッセージ性がなく、私は何も見つけられない。
違和感は払しょくされたので、ウキウキとただラストを楽しみに読み進めた。
衝撃のラストは、本当にすばらしいものだった。
この本の中には、本を愛するひとがたくさん出てくる。
「読書は僕の人生、本が読めないなんて死ねと言われたのと同じだ」という主人公、小説家、編集者、校正者たち。
その言葉のひとつひとつに付箋を貼ることはなかったが、読書習慣により人生を変えることができた私は、この本の中に存在する「本を愛するひとたち」の姿にも、全体を通して大きな感動をもらった。
私の手元に本が届くまで、そこに関わるすべての人に「ありがとう」を伝えたい、そう思った。
最後に、私がこの小説の中でもっとも気に入った言葉を記して締めようと思う。
素晴らしい感動を、ありがとうございました。
(感想文おわり)
あとがき
これは結局「自分語り」なのかもと思ってしまうが、まぁいいや。
やっぱり私は、どこまでいっても自分のことしか書けない人間だということです。
この読書感想文は、PONOさんの記事を絡めた「前書き」ありきのもので、PONOさんにキッカケをいただかなければ、私はこの記事を書くことはできませんでした。
『世界でいちばん透きとおった物語』
「本を愛する多くの方に届くといいな」と思って書きました。
でも、この本の素晴らしさの100分の1も伝えられてないと思います。
衝撃のラストの感動は、たとえネタバレしても伝わらない。この本を実際に読んだ人にしか伝わらないものだからです。
PONOさん。
「読書感想文を書く」という挑戦のキッカケと、「読書感想回想文」という言葉をプレゼントしてくれて、本当にありがとうございました!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。