お金の使い道を【自分軸】で決めることの大切さを改めて感じた話
私の唯一の特技は【貯金】です。
苦手なことはいっぱいあるけど、他には特技と言えるものはありません。
私は現在44歳ですが、1000万円貯金を今までに2度実現しています。
住宅購入時に頭金&諸経費に1000万円支払い、昨年住宅ローンを完済した今でも1000万円以上の金融資産を保有しています。
私は扶養内パート主婦で、住宅ローン開始時の夫の年収は約350万円、15年経った現在は500万円台であるため、我が家が特別な高収入家庭ではなかったことをご理解いただけると思います。
上を見ればキリがないですが、貯金は唯一の私の特技なので、改めてちょっと自慢させていただきました♪
我が家が特別な高収入家庭ではないのに、今まで資産を増やすことができたのは「投資をしていた」ということもありますが、支出のコントロールがしっかりできていたからだと思っています。
周りの状況に合わせることなく、常に自分と自分の家族の「本当にほしいモノ・コト」にお金を使ってきました。
私は「いってらっしゃい」と笑顔で自分のお金を送り出せないようなものには、1円だって使いたくはありません。
お金の使い道として、常に【自分軸】を持っているつもりです。
と、ここまで私のお金に対する思考を軽く書いてみたのですが、今日は別方向から、お金の使い道に【自分軸】を持つことの大切さを改めて感じたことを書いてみたいと思います。
最近、興味を持って読んでみた本がありました。
『幸せとお金の経済学』という本です。
この本のキーワード。
✔幸せ
✔お金
✔経済学
私の大好きな「幸せ」「お金」という二つのキーワードが含まれた本を、読書好きの私が読まない訳にはいきません♪
この本。 めっちゃくちゃ面白かったんですよ!!
とにかく「へぇ~ほぉ~、なるほどねぇ~」が満載で、苦手分野だった経済学が「意外と学んでみると面白いのかも!」と思えるほどの本でした。
この本の監訳者 金森重樹さんは超富裕層の方です。
でも、ある時わが身を振り返ってみて愕然としたそうです。
「資産形成はしたけれど、まったく幸福感が感じられない」と。
そこから、お金をどう使えば幸福度を高められるのか?また、幸福そのものについても深く考えるようになったそうです。
この本に書かれている画期的概念は……
✔地位財=他人との比較優位によってはじめて価値の生まれるもの
(例:所得、社会的地位、車、家 など)
✔非地位財=他人が何を持っているかどうかとは関係なく、それ自体に価値があり喜びを得ることができるもの。
(例:休暇、愛情、健康、自由、自主性、社会への帰属意識、良質な環境など)
これを見ると、人が幸せになるためには「非地位財」の方に、より多くのお金を回すべきであろうということは容易に想像できると思います。
私がこの本を読んで一番勉強になったと感じたところは、「経済格差の拡大」によって中間所得層が「非地位財」にかけられるお金がドンドン減少しつづけているという事実でした。
先月読んだピケティの『21世紀の資本』の解説本で「経済格差」や「富の不平等」について学んだばかりだったので、話が繋がり余計に面白く感じたかもしれません。
笑いごとではないかもしれませんが、今まで知らなかったことを知ること、そして学んだ知識が繋がっていくことはやはり面白いことです。
この本の中で《支出の滝》という言葉で表されていた現象。
これが、経済格差の拡大が中間層を苦しめる原因でした。
まず、アメリカの大企業のCEOの給料は、1980年には平均労働者の40倍だったそうですが、2000年には500倍以上に達しているそうです。
一般人のお給料はほとんど増えていないのに、世界トップ層のお給料は、この数十年でめちゃくちゃ増えているということです。
けれど私たちにとって、超超超!大富豪であるビルゲイツさんがたくさんの収入を手にし、どれだけの豪邸を建てようがあまり関係ないように思えます。
それだけ遠くにいる人に、嫉妬もなにもありません。
そして実際に、私たちのお給料が減っているわけでもないのです。(伸びてもないけれど)
そこで出てくるのが《支出の滝》です。
私たちには関係ないビルゲイツさんの豪邸は、そのすぐ下にいる富裕層の人には多大な影響を与えます。
そして、その豪邸に影響を受け、その人たちもより大きな豪邸を建てるようになる。
するとそのまた次の階層の人たちが影響を受け、これまた大きな豪邸を建てるようになる。
これが《支出の滝》というもので、それがずっとずっと一段ずつ下に降りてくるというのです。
最初の一人が買った贅沢品が、そのずうーーっと下にいる私たちの生活にも、影響を与えてしまうってことなんですよ。
「経済格差の拡大」が他人事では済まされないと、この本を読んで初めて感じることができました。
その《支出の滝》により、平均的な労働者が家族を平均的な家に住まわせるためにかかるひと月あたりに必要な労働時間が、
✔1970年では約40時間
✔2010年には約82時間
と、約2倍にアップしてしまったということが、この本には書かれていました。
衝撃です!!
これは「地位財」である家の購入のために、「非地位財」である休暇を犠牲にしていることに他ならない。
《支出の滝》により、一部のトップ層の所得の高騰が、私たちの「普通」「平均的」の基準値をどんどん釣りあげていってしまうということです。
私たちのお給料は変わらないのに、「普通」の生活をするための必需品にかかるお金は、こうしてどんどん増えていくんですね。
本では、住居の他にも「リクルートスーツ」を例に出して説明されていました。
最初の一人が面接官に好印象を与えるために、特別なお金をかけて良いスーツや良い靴を選んだ結果。
自分が選ばれるためには、他の人も同じようにお金をかけるようになります。
そうなると良いスーツや良い靴が当たり前(必需品)となってしまいますよね。
お金をかけた良いスーツと良い靴を履いていても、あまり意味がないものになる。
監訳者の重森さんも、自分自身の例を書かれていました。
自宅マンションにはベンツやポルシェが当たり前のように停まっている。
だから自分は、w12ツインターボのベントレーにした。
ベンツを買ったのでは、地位財として何も買ったうちに入らないからと。
奥さまにピアジェの350万円の時計をプレゼントしたけれど、その数日後。
ママ友がドゥ・グリソゴノ(何?それ?笑)の3000万円を超える時計をしてきた瞬間。
ピアジェの時計は、着けていても着けていないのと同じ状況に無効化されてしまったという話も一緒に書かれていました。
私たちの限られた収入を「地位財」の競争に振り向けるのではなく、「非地位財」に意識して振り向ける方が、人間の本能には反するけれど結局は良い結果になり幸福度が増加するのではないか?
長くなるのでここには書きませんが、ダーウィンの理論と照らし合わせ「地位財」を人間が求めてしまうのは本能であるといった内容も、とても興味深いものでした。
子供が「●●ちゃんたちはみんな持ってる!」というと、「よそはよそ、うちはうち」と親はついその一言で片づけがちですが、子どもがそう感じるのは本能だったんですね。
「人より遅れをとっている」という気持ちをうまく抑えてコントロールする術を身に着けることは重要ですが、「人と比べることは嘆かわしいことだ」と、そういった心理を見下すのは間違いだと書かれていました。
リクルートスーツの例をみると、私たちは知らない間にこの「地位財」の競争に参加していることがわかると思います。
本当はここからみんなが一斉に「いちぬけた~」をすることが望ましいようですが(笑)
なかなかそううまくはいきません。
誰か一人でも抜け駆けして良いスーツを着てこようものなら、自分が選ばれることがなくなってしまいますので、みんな必死なわけです。
この豊かな日本で、もしもシワシワボロボロの何年も着古したような服を着ていたら「この人、ちょっとどうなの?」と思われるかもしれません。
昔はみんなもっとボロを着ていただろうに、そういう「世間的に恥ずかしいと感じる基準値」も完全に上がっているんですよね。
私たちが知らないうちに。
私はいまだにガラケーですが、外でネット環境に繋がれないこと以外にも、スマホがないと色んな面で不便なことが増えてきました。
2~3年前まではそこまで不便はありませんでしたが、もはや今はスマホが当たり前で「全員スマホを持っている」前提で世の中が周りはじめています。
こうして徐々に「世間的に恥ずかしくない」「不便しない」ための必要経費が増えていき、「非地位財」にかけられるお金が減っていくのだなと感じています。
私たちが意識しないうちに「普通」の基準値が上がり、その分「地位財」にかけるお金は膨らみ、「非地位財」にかけられるお金が減っていくこと。
「地位財」を追い求めることは人間の本能であり、そこを克服することは難しいことではあるけれど、こうして様々な支出を強いられていることを意識して、これからも自分軸を持ち、できる限り【非地位財】にお金を配分していきたいなと思った話でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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