京都散歩16:金と銀があるなら「銅」があってもいい。大雲院 祇園閣
お立ち寄りいただきましてありがとうございます。
祇園祭も後半にさしかかり、セミの声も聞こえてきました。
今回の京都散歩は「京の夏の旅」で6年ぶりに公開された大雲院の祇園閣にお伺いします。
【2024年7月20日】
岡崎住まいですので、歩いて向かいます。
三条通から神宮道を南に。
以前のお散歩でも高台寺に向けて歩いたルートです。
青蓮院門跡。
いつ来ても空気が気持ちよい、お気に入りの場所。
夏の空がまぶしい。
午前中なので知恩院の観光客も少なめ。
円山公園を抜けて「ねねの道」に。
長楽館
「煙草王」と呼ばれた実業家村井吉兵衛の迎賓館として建築されました。
命名は伊藤博文とのことで「西の鹿鳴館」とも言われたそうです。
設計者はアメリカの建築家ガーディナー。
本日は結婚式をされていたようです。
一度中で食事してみたい。。。。
京都検定で近代の設問に弱いので、建築物や設計者も覚えていかないと。
本日は外観のみ。
大雲院
長楽館を超えると、大雲院に到着します。
拝観は南門からでした。
祇園閣が見えます。
天正十五年、正親町天皇の勅命により織田信長、信忠父子追福のため創建されました。
本堂で説明を伺ったところ、烏丸二条周辺で創建された後に、四条寺町(現在の高島屋の別館あたり)に移転しましたが、周辺が賑やかになってきたために、大倉喜八郎の別荘であった今の地に移られたとのことです。
ご本尊は阿弥陀如来坐像で、江戸時代の作だそうですが、胎内から室町時代の阿弥陀如来立像が見つかりました。
現在でも胎内にあるそうです。
本堂は1973年に完成したということで比較的最近です。
織田信長、信忠父子の墓所、石川五右衛門墓所もあるようですが、この先は檀家さんのみとのこと。
祇園閣
大倉喜八郎が常に祇園祭の壮観を披露したいと願い、山鉾を模した祇園閣を建てました。
設計は平安神宮や明治神宮、築地西本願寺なども手掛けた東京帝国大学工学部教授の伊東忠太によるものです。
高さは36メートルの3階建てとかなり大きく、室内には葛新民の敦煌の壁画が飾られていて幻想的な空間です。
壁画や鬼のランプを見ながら最上階まで上がると、知恩院、高台寺、八坂の塔が一望できて気持ちよい風が流れます。
中はもちろん撮影できませんが、最上階からの景色についても撮影が禁止されています。
伺ったところ、近隣にお住まいの方からの要望とのことでした。
屋根に銅板葺が使われていることから「銅閣」とも称されています。
塔の鶴のモチーフは、大倉喜八郎の幼名が「鶴吉」、晩年には「鶴翁」と称していたため、鶴になったと説明して頂きました。
ずっと見たかった祇園閣を見学できて満足です。
今回特別公開されていますが、次はいつになるかわかりませんので、ご興味があれば「京の夏の旅」期間中に訪れてみてはいかがでしょうか。
それではまた。