【欧州ひとり旅】門の向こうにね、
「門の向こうにね、どんな景色が待っているのかを、想像してみるんだ。」
昔、おじいちゃんがそんなことを言っていたのを思い出しました。どうしてそんなことを思い出したのかといえば、とある門をくぐったからなのですが、どこにでもある小さな門ではあっても、わたしはおじいちゃんの言い付けをよく守っているようで、門の向こうには、きっと街を一望できる坂が続いているのでは?と考えていました。
「想像していた景色と同じだったなら、その奇跡を喜べばいい。もし想像した景色と異なっていたならば、何がどう違うのか、よく観察して、楽しむんだ」
門の向こう側に広がっていたのは、たしかにわたしの想像した景色ではあったのですが、まったく同じと言うわけではなくて、想像の中に、想像できるはずもない新しいものごとがたくさん写っていたのです。おじいちゃん、こういう時はどうすればいいの?想像通りだった奇跡を喜びつつ、観察もすれば良いのかな。
しばらくその場に立ち、ぼうっと、ただ景色をながめて。ヨーロッパは門が多くて困るなあ。門をくぐる度に、立ち止まって、時間を費やしてしまうから。
欧州ひとり旅日記より抜粋
in Füssen, Germany Oct.2023