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【欧州ひとり旅】行方知らずのビーチ
A summer’s day I spent on the beach anywhere I don’t know.
正直なところ、今日訪れたビーチの名前を、わたしは知りません。どうやってたどり着いたのかも、実はあんまり。わかっているのは、ひとり旅に出ようとしたところに、中央駅で友だちと遭遇して、それから一緒にランチに行くことになって・・・気づいたら、浜辺でこんがり肌を焼いていたことです。
うつ伏せになってレジャーシートに寝転がるわたしに、マーレンは太陽を背にながら、バドミントンをしようと誘ってきました。
「うーん、疲れるからわたしはいいよ、ティムとやりなよ」
我ながら、やる気のない返事だったと思います。夏は好きですが、暑いのはちょっと苦手。これ以上汗もかきたくありません。それに彼女、バドミントンがとっても上手なんです。わたしなんておよそコテンパにやられちゃうだろうから、ね。
中央駅付近のH&Mで急ごしらえした水着を着て、泳いだりもしました。気温のわりに水は冷たく、唇の震えは、コンマ秒の刻み。それに大笑いするミリには構わず、鬱陶しいはずの太陽に、ただただ暖かさをせがむわたし。
夏というやつには、本当に困ったものです。ひとり旅の予定を、こんなにも簡単に狂わせるなんて。幸い、予約しているホステルには、日付が変わる前には着きそう。列車は少し、遅れているみたいですが。
ありあのひとり旅日記より抜粋
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in irgendwo, Germany Aug.2023