【欧州ひとり旅】宝探しみたいな、そんな気分。
「この街を色にたとえるなら、あなたはなんて答える?」ここに来てからずっと、そう問われている気がします。
昨日も今日も、ウィーンの街はとにかく白いです。旅日記で「白」って言葉を使うの、これで何回目でしょう。その語彙力どうなの?って、日記帳も呆れかえっているに違いありません。でも仕方ないのです。それだけこの街は、白い。
早朝のウィーン旧市街。昼から夜にかけての活気とはまた少し異なる様相。"活気"というよりも"営み"と表した方がしっくりくるでしょうか。とあるカフェではテーブルや椅子を全て路上に出して、店内の大掃除。掃除機の音と一緒に、従業員の趣味でしょうか、さっぱりした朝にはに少し色気の強いジャズ音楽が聴こえてきます。
そこからちょっと北に行ったところにある飲み屋では、夜通しの営業を終えたマスターとウェイトレスさんが、店先のテラス席でピザを食べていました。宅配ピザでしょうか。モッツァレラチーズがとろっとろで、とても美味しそう。
ゴミ収集車に、それから配達のお兄さんも。たくさんの声と作業音が何重にも混ざりあっていますが、そのどれにも無駄はなく、音のわりにはゆったりとした時間が流れていました。ウィーンの街が一体どのようにして成り立っているのか、街を支える人々の背中からは、ここで働き生きることへの"誇り"のようなものを感じます。
どうでしょう。ウィーンの街からの問いに、少ない滞在期間で、わたしはなにか答えを出せるでしょうか。ウィーンという街は何色なのか。まだ白色にみえていますが、だからこそ、今日の旅はとても楽しみです。宝探しみたいな、そんな気分。
ありあのひとり旅日記より抜粋
in Wien, Österreich Dec.2022
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