【欧州ひとり旅】もうひとりのわたし
ここをまっすぐ行くと、どこへたどり着くのでしょう。普段あまりスマホの地図を見ないで旅をするわたしは、今回もまた、標識と直感を頼りに、ゆく道を決めました。
右側に大きな駐車場。左側は通行止めですが、馬車のイラストが目を引きます。わざわざ馬車のイラストを標識に描くということは、もしかしてここ、馬車が通るのかな。大きな駐車場もあるし、もしかしてここには魅力的な何かがあるのかも?
ひとり旅をしていると、何かを決断する時、もうひとりのわたしに話しかけるような、そんなひとり言をすることが多くあります。
「こっちに行ったらあそこにたどり着くんじゃない?」「どうする?このカフェを通りすぎたら、しばらく飲食店はなさそうだよ?」って。
もうひとりのわたしへの問いに、もうひとりのわたしは何か答えるわけではありません。そもそも、もうひとりのわたしはきっと存在しません。でも、なにかがそばにいるような感覚が、わたしに自信を与えてくれるわたしみたいな何かが、「ひとり旅」を支えてくれています。
なんとなくだけれど、たしかな感覚。この感覚を、わたしは理解したいとは思っていません。
in Hohenschwangau, Germany Oct.2023
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