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「夢の浮橋(谷崎潤一郎)」の舞台、五位庵へ

こんにちは!アーキロイドの福井です。
京都・下鴨神社のほど近くにある「石村亭(セキソンテイ)」に行ってきた。
作家 谷崎潤一郎が、7年7か月ほど暮らした家だ。小説「夢の浮橋」の中では「五位庵」として登場し、庭や部屋の様子が生き生きと描かれている。

五位庵の場所は、糺(タダス)の森を西から東へ横切ったところにある。下鴨神社の社殿を左に見て、森の中の小径を少し行くと、小川にかけた幅の狭い石の橋があって、それを渡れば五位庵の門の前に出る。

谷崎潤一郎「夢の浮橋」(中公文庫)

79歳で亡くなるまでに40回以上も転居したほど引っ越し魔だったそうだから、こよなく愛した場所だったに違いない。体調の悪化と京都の夏・冬の厳しさのため、本拠を熱海に移さざるを得なくなった谷崎に、たくさんの著名人や料亭がこの場所を欲しがったそう。

大切なこの場所をこのまま維持管理してくれる人へ、そして春と秋にここに来れるようにしておきたかった谷崎。そこで譲り受けたのが日新電機株式会社だった。

私はこの邸を「潺湲亭(せんかんてい)」と名づけ、(中略)
この庭を限りなく愛し、毎年春と秋には缺(か)かさず
ここに戻って過す習慣になっていた。

谷崎潤一郎「高血症の思い出」『夢の浮橋』(中公文庫)

今も、日新電機の迎賓館として利用されているので、一般公開はされていない。
週に3日は庭師さんが管理に入って維持しているそうだから凄い。SNS掲載はダメだった気がする。ぜひ、下のサイトから見てみてください。

年に一回ほど、芦屋市谷崎潤一郎記念館からも見学の募集があるそうだが、とても倍率が高いそうだ。

日新電機が谷崎から譲渡されて50周年記念として、50人の見学募集したら1000人の応募があったそう。ハズレましたの連絡と記念品を送る作業がめちゃめちゃ大変でした〜と社員の方が笑っておられた・・・恐るべし。福井


『福井典子の家』ーあたりまえを磨く滋味深い家ー
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