読書感想文(343)森博嗣『すべてがFになる』


はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は有名なミステリー小説です。
この作品を初めて知ったのは高校生の頃、クラスメイトにオススメされたことです。ただ、その時は結局読みませんでした。
今回手に取ったのは、YouTubeチャンネル「ほんタメ」でヨビノリたくみさんがオススメしていたからです。

感想

ん〜〜、正直に言えば私はあまりハマりませんでした。
推理に歯が立たないので、400ページくらい読んでからやっと面白くなってきたな、という感じでした。
トリックはかなり面白いと思ったのですが、屋上の場面はちょっと想像できませんでした。
システム等の設定を次々と頭に入れて整理できる人にとっては面白いのかなぁと思いました。
今振り返ってみると、起こっている事件はものすごくショックなのですが、犀川先生がドライな雰囲気だから、そこに流されたのかもしれません。

犀川先生や真賀田女史のセリフはいいなと思うものがあったので、いくつか引用しておきます。

「自然を見て美しいなと思うこと自体が不自然なんだよね。(中略)つまらない仕事や汚れた生活をしているから、自然、自然って、ご褒美みたいなものが欲しくなるんだ」

P79

あまり考えたことがない視点でした。
でもどちらかというと、資格情報として都市は気持ち悪いなとよく思います。
18きっぷで田舎の線路から都市に入った時のビルの多さには驚きます。

「思い出と記憶って、どこが違うか知っている?」
(中略)
「思い出は全部記憶しているけどね、記憶は全部は思い出せないんだ」

P289

これはヨビノリたくみさんが動画で紹介されていましたが、改めていいなと思いました。

「先生……、現実って何でしょう?」萌絵は小さな顔を少し傾けて言った。
「現実とは何か、と考える瞬間にだけ、人間の思考に現れる幻想だ」犀川はすぐ答えた。
「普段はそんなものは存在しない」

P357

この後、他人の干渉についての話が出てきます。
他人の干渉を受けたい人もいる→しかし、望んでいる他人の干渉を受けたいという方が正確で、それが作られるという話です。
ゲームの例えがとてもわかりやすかったです。「自分と戦って負けてくれる都合の良い他人が必要なんだ」と。
これは自分に結構当てはまるような気がしました。私は負けず嫌いですが、どちらかと言えば勝てると思える範囲で勝負することが多い気がします。
幼少期にゲームにハマった影響なのかもしれません。

おわりに

続編を読むかどうかはちょっと迷い中です。
他にも読みたい本はたくさんあるので、自分に合っていない気がする本は後回しにした方がいいかもしれません。
とりあえず、積ん読になっているガリレオやアポロを読んで、ミステリ欲を満たそうかなと思います。

ということで、最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。


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