京都で過ごす週末「本とたまごサンド」
文学フリマ京都9から、まだまだ読書熱が冷めない土曜日。
「そうだ、本屋巡りをしよう」と思い立ち、京都の本屋さんをハシゴした。
普段良く行く丸善や蔦屋書店といった大型の本屋さんではなく、今回はシェア型書店や独立書店に行ってきた。
行きたかったパン屋さんや、カフェランチも楽しんできたので、こちらも紹介したい。
今回お邪魔したお店はこちら。
こもれび書店(シェア型書店)
Flip up!(パン屋)
レティシア書房(書店)
百春(カフェ)
誠光社(書店)
恵文社(書店)
ふたば書房御池ゼスト店(書店)
「こもれび書店」シェア型書店に初めて行く
こもれび書店は、 京都市営地下鉄 丸太町駅 2番出口から徒歩3分に位置する個性的なシェア型書店。
シェア型書店とは、個人が本棚を借り、自分のおすすめ本を並べて販売できる書店だ。
こもれび書店には、おすすめの古書や自作のリトルプレス、雑貨を置いている棚もあった。
ギャラリー・イベントスペースもあり、わたしが行った日は、「アフリカンプリントフェア」が行われていた。(かわいいミニバッグを買ってしまった・・・)
お店に入ると、お客さんがひとり、店主さんと話に花を咲かせていた。
わたしはやや緊張気味に入店し、さっそく棚を見させていただいた。
それぞれ店名がついていて、小さな空間にいろいろな種類の本が並べられていた。ショップカードを置いている棚もあって、気になったものをいくつかいただいた。
ディスプレイも様々で、小さな小物を飾っている人もいるし、とくにおすすめの本はこちらに表紙が向くように置いてあったりした。
「いいなぁ。わたしもやってみたいな・・・」と思ったけれど、あいにく棚は満席のようだ。
一通り棚を見て回り、気になった古書1冊と、リトルプレスのセットを1つ購入した。
雑貨は、クリアのブックマークとアフリカンプリントのミニバッグを購入。
計算をお願いすると、店主さんが「どこから来たの?」「アフリカンプリント興味ある?」といろいろ話しかけてくれた。
アフリカンプリントの洋服や雑貨は、トーゴ出身の仕立て屋さん、デアバロクチュリエさんが制作したもので、「あれ、トーゴってなんか聞いたことがあるような・・・」と思っていた。
実は、ちょうど先日読んだ本『たやさない』(烽火書房)で、デアバロさんのことが書かれていたのだ。なんという偶然!
2月1日にオーダー会もあるとのことなので、興味がある方はぜひ行ってみてほしい。
こもれび書店は定期的に読書会などイベントをされているみたいなので、また遊びに行ってみようと思う。
「Flip up!」で明日のパンを買う
パン好きの方ならおそらく知っているであろう、京都のパン屋さん「Flip up!」。
徒歩圏内に住んでいたときは、週末にベーグルサンドを買いに何度か訪れた。
店内は広くない。3組ほど入るといっぱいになるので、早朝から昼にかけて行列が絶えない。
わたしが行ったときは、ピークがすぎていて列はできていなかったが、パンの数がやや少なめだった。
明日の朝に食べるパンを3つ買って、次の目的地へ向かう。
「レティシア書房」で本を買って文フリを語る
「レティシア書房」は新刊本、古本、リトルプレスなど多様な本を販売しているお店。
入口付近には豆本もおいてあった。
ギャラリースペースではこの日、豊泉朝子さんの原画展が行われていた。
はじめて拝見したが、見た瞬間ドキッとする独特の世界観に興味がわいた。
『口を埋める』というタイトルに惹かれて、本を1冊購入した。
これ以外に2冊の本を購入した。
『仕事文脈 vol.25』
この本について存在を知っていたが、購入したのは初めて。
特集の「どう、集まる?」と「ふつうに副業」が気になって、購入した。
今年はいろいろな場所に行って、人と交流したいし、自分の働き方も真剣に考えたいと思っている。
『本は物である 装丁という仕事』
わたしが本を選ぶとき、装丁を無視することはできない。
内容を知らずに、装丁に惹かれて本を買うことも多々ある。
わたしもなぜこんなに装丁に惹かれるのか気になるし、本の装丁について真剣に向き合って見たいと思って、手に取った。
こちらの本はもう絶版になっているそうで、貴重な一冊であることもわたしの心を動かした。
本を見ていると、ある作家さんが本の搬入に来られていた。
具体的な話は控えておくが、作家さんと店主さんが真剣に本の話をされていて、なんだかそれがすごく良かった。
作家さんが帰られて、店主さんの手が空いた頃合いを見計らって、レジに行く。
作家さんが帰られてすぐにレジに行ったら、待ってた感が出てしまうかなと思い、あえて少し時間をあけてレジに向かったのだが、「お待たせしてすみません。」と言ってくださって、しっかりバレていた。
豊泉朝子さんの本を買ったので、店主さんが「ご存知でしたか?」と声をかけてくださった。
「文学フリマに出られてたって書かれていたんですけど、わたしそのとき気が付かなくて、ここでじっくり拝見したらちょっと気になって・・・」と答えると、そこから文フリの話に。
この前の文フリ京都は過去最多の来場者が来ていたらしく、「昔はもっとゆったりしたイベントで、隣の出店者の方やお客さんとおしゃべりしながら過ごせたんですが・・・」と店主さん。
「今はすごく忙しそうですよね。」なんて言いながら、昔の文フリにも行ってみたかったなと思った。
文フリの規模やあり方について、いろんな声を聞く。
これまで何度も参加されてきた方は、きっといろんな思いがあるのだろう。
少しお話をして、店主さんにお礼を伝えて、店をあとにした。
滞在時間はわずかだったけれど、とても良い時間だった。
「百春」で厚焼きたまごのサンドイッチを食べる
午後2時前。さっきからお腹が「なんかくれ!」と叫んでる。
この辺なんかあったかな・・・そういえばこのあたりに「百春」があったはず。
たしかあれは、夏の暑い日。
模様替えをするため、家具屋めぐりをしていたときに、お腹が空いて入ったカフェだ。
ビルの2階にあり、扉を開けるとビンテージ家具のような木のぬくもりが出迎えてくれる。
小さいカフェで、テーブル席が3つと、カウンター席が5席ほどだったかな。
カウンターに座ると、通りを挟んだ向かいの書道具屋さんが見える。
この日は、外国人の男性ふたりが書道体験をしていた。
お腹が空いていたわたしは、迷わず「たまごサンドと百春ブレンドをお願いします!」と注文。
京都のたまごサンドといえばこれでしょう。
ちなみにわたしは京都出身だが、これほどぶ厚いたまご焼きのサンドイッチを、家で食べたことはない。
つまり、わたしにとってもこの厚焼たまごのサンドイッチは特別メニューなのだ。
百春のたまごサンドは、ふわふわしっとりのパンに、厚焼たまごを挟んだ、本当にシンプルなサンドイッチ。
このシンプルさが、わたしは本当に好き。
百春は、お店の所々に「静かに過ごすように」とメモが書かれていて、本当に静かで落ち着く空間だ。ひとりでゆっくり過ごすのにピッタリ。
家の近くにあったらいいのにな・・・。
先ほどレティシア書房で買った本をじっくり読みたいところだが、今日はまだ行きたい本屋さんがある。
コーヒーをぐっと飲みほして、次の目的地「誠光社」に向かう。
「誠光社」で迷ったけど結局1冊も買わなかった
百春から歩いて10分くらいで到着したのが、京都の有名な本屋さん「誠光社」。
もちろん、わたしは何度も訪れていて、そのラインナップは見ているだけでも楽しい。
この日は週末ということもあり、お店にはたくさんのお客さんがいた。
誠光社の楽しみ方は、とにかく入口から全ての棚を一通り全部見る。
今回目に止まったのは、韓国で出版された、日本の本屋さんを詳しく分析した本だ。
フルカラーで結構な分厚さ。(韓国の本は結構ぶ厚めが多い印象)
韓国語の本を直接手に取る機会がなかなかないので、見つけたときはなんだか嬉しかった。
ほしいなぁと思ったけれど、値段が書いてない。
輸入品だし、フルカラーだし、結構高いだろうな・・・。
というか売り物じゃないのかも・・・。
色々考えを巡らせて、お店の人に値段を聞いてみようかとも思ったが、聞いても今日は買えなさそうだったのでやめておいた。
次に行ったときもまだ残っていたら買おうかな。
バスに乗って「恵文社」に行く
丸太町から一乗寺までバスに乗って約20分。
向かったのは「恵文社」だ。
この日は意地でも恵文社に行くんだ!と意気込んでいたが、正直失敗だった。
恵文社に着いたときは、すでにヘトヘトになっており、本を見るのに集中できなかった。
「せっかくここまで来たのに・・・」そう思いつつ、雰囲気だけを楽しんで帰ることにした。
この日、詰め込み式の本屋巡りは良くないことを学んだ。
今度は一乗寺エリアに絞って、恵文社や古本屋さんを巡ることにしよう。
京都市役所駅まで戻ってきて「ふたば書房」で手芸の本を見る
今、ある計画をしていて手芸の本を見にふたば書房に立ち寄った。
お目当ての本はなかったが、実はわたしはこの「ふたば書房御池ゼスト店」が結構好きだ。
電車の駅にある本屋さんって、だいたい大型書店にある本を要約したようなラインナップが多いイメージだけど、このふたば書房はなんか違う。
文芸エリアの選書を見るときっと驚くはず。
もし、行ったことがない本好きの方は、ぜひ一度訪れてみてほしい。
あとがき
この日は結局1万歩歩いて、京都市内の本屋さんを巡った。
後日談として、歩きすぎたせいか股関節の関節を痛めてしまった(笑)
普段全く運動しないから、急にたくさん歩くとこうなる。(年齢のせいもある)
それでも、この日は新たな本に出会い、本好きの店主さんに出会い、心が満たされた週末だった。