見出し画像

しおり…


長い間小さな本棚の奥に眠っていた
懐かしい詩集‥

その詩集に挟まっていた
買い物のメモの走り書き…


もう何年も経っているのに折り目もなくて
色褪せていない白い紙…


人参、玉ねぎ、豚肉、じゃがいも、キャベツ…

何を作ろうとしてたの?

私の好きなシチューかな?

メモを指でつまみ手のひらに乗せた…

胸に込み上げる温かさのせいだろうか
手のひらにほんのり伝わる温もりを感じた…

懐かしくて温かくて…

ちょっと切ない想い出の欠片‥

折り目をつけずに元のように詩集に挟み
本棚に戻した‥

明日、メモと同じ買い物してくるよ…

優しい笑顔の姉の写真に呟いた‥‥


表紙、挿入画 illust ac

いいなと思ったら応援しよう!