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詩「Tangled Up in Blue」

晴天に風が吹けばさ
前に進むから
塵埃は舞い
僕は笑う

晴天に風が吹けばさ
まいったね気持ちがいいよ
地面も乾いて
はにかみ顔

メジロの声はもう聴いたかい?
冬のただなかに春が訪れる
花芽はそこかしこで膨らむ
日はだんだん長くなる

(風が吹く、春風が吹く、
 遠い高いところで
 まだ誰も気づかないところで)

   *

今日は朝から雨さ
そこらで重低音
誰もが押し黙り
良い心地

今日は朝から雨さ
雨音がすべてを覆い隠す
発した言葉も
思いすらね

メジロの声はもう聴いたかい?
冬のただなかに春が仕込まれる
ロウバイが咲けば梅、モクレン、そして桜さ
日はだんだん長くなる

(風が吹く、春風が吹く、
 遠い高いところで
 まだ誰も気づかないところで)

   -

メジロの声はもう聴いたかい?
冬のただなかに春が仕込まれる
ピイと鳴け、ククと鳴け、キュウと鳴け、空が聴く
日はだんだん長くなる

大きな声で笑え
深呼吸してごらん
そら、春の風


おともの音楽:Bob Dylan's "Tangled Up in Blue" performed by Tedeschi Trucks Band

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