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「周囲のイライラを全部拾って燃え尽き…“共感疲れ”が止まらないHSPの悲鳴」
自分でも驚くくらい、相手のイライラや悲しみをそのまんま受け取って疲れきる――そんな“共感疲れ”に悩んでいませんか? 私も以前、まわりが荒れていると勝手に心拍数が上がって、帰宅するころにはヘトヘト。「これって私が疲れてるんだよね?」と自問しても、なんでこんなにボロボロなのかピンとこない、ということがしょっちゅうでした。
HSP(Highly Sensitive Person)は他人の感情に強く共感する傾向があるぶん、相手がイライラしていたり落ち込んでいたりすると、まるで自分のことのように疲労を感じてしまうんですよね。何もしていないのに、なぜこんなに消耗してるんだろう……と悩んでいる方もいるんじゃないでしょうか。今回は「共感疲れ」を放置していて、私がいったいどんな悲鳴をあげる羽目になったか、そしてそこからどう抜け出しつつあるかをお話しします。
1. いつの間にか「この場のイライラ、私が背負うしかない」と思い込む
たとえば、職場で誰かがイライラモードになると、HSP的には「うわ、こっちまで息苦しい…」って感じちゃうんですよね。会議でキツい言葉が飛び交っているときなんかは、私が悪いわけじゃないのに、なぜか自分が謝りたくなる。
勝手に「こんなに荒れてるなら私が何とかしなきゃ」と思い込んで、場を収めるのに必死になる。結果、心のHP(体力ゲージ)は大幅に削られて、仕事が終わるころには無気力状態です。周囲のイライラを全部拾うなんて、冷静に考えたら無理ゲーなのに、そのときは気づけないんですよね。
2. “私が悪いの?”と罪悪感を感じがち
誰かが不機嫌そうだと「ごめんなさい、私が何か失礼した?」と自動的に自分を責めるモードに入ってしまう。HSPの人は、人の些細な反応を「私へのサインだ」と感じ取りすぎてしまう傾向があります。
モンテーニュのエッセイに「私たちは他人の目の中に自分を投影しすぎる」みたいな話がありましたが、本当にそうだなと思うんですよ。実際は相手に別の理由があるかもしれないのに、とりあえず「私のせいかも…」と思い込み、心がズタボロに。これが重なると、“共感疲れ”がますます深刻化していきます。
3. “いい人スパイラル”でキャパオーバー
共感疲れが厄介なのは、「相手がイライラしてるなら助けたい」「なんとかしてあげたい」という“いい人思考”が絡むところ。HSPには優しい人が多いですから、相手を放っておくと罪悪感すら覚えるんですよね。
それで、「大丈夫? 話聞くよ」とか「私がフォローするから任せて」とか動いてしまう。けど、しょせんキャパには限界があるので、相手をフォローし続けるほど自分のHPはゴリゴリ削れていく。いわゆる“いい人スパイラル”ってやつです。
4. 共感するほど“燃え尽き”が加速していく
人に共感すること自体は、HSPの大きな長所でもあります。だけど、その共感の範囲が無制限になっちゃうと、相手の感情を引き受ける“重さ”でどんどん燃え尽き状態に突入していくんですよね。
パワーがあるときはまだ何とか耐えられるけど、まわりにイライラしてる人が複数いると一気に疲労が増して、日常生活もままならなくなる。私も一時期、本当にこれで悩んで、休日は寝るだけで終わる…みたいな暗黒期がありました。
5. 「冷たい人」にならないための線引き
「共感疲れから抜け出すには、相手をシャットアウトするしかないのかな」「そうすると冷たい人になるんじゃ…」と不安になる方もいるかもしれません。私も最初はそう思って、なかなか線引きができませんでした。
でも実際には、“共感しない”のではなく、“相手と自分の間に境界を引く”イメージが大事だったんです。フランスの哲学者サルトルが「他者は地獄だ」と言ったように、人は相手の感情に完全に入り込むことはできないし、やる必要もない。「ここから先は相手の領域、私はこう感じているだけ」という線を引くと、意外と「冷たい人」扱いされることもありませんでした。
6. 自分の感情を先にチェックする習慣
共感疲れって「相手の感情に引っ張られて、自分が何を感じてるか分からなくなる」のが辛いところなんですよね。そこで私が取り入れたのが、朝や休憩時間に自分の気分を一言でチェックする習慣でした。
「今の私は元気? 眠い? なんとなく不安?」とか、簡単に箇条書きにするだけで、自分の感情が先に可視化される。そうすると相手のイライラに巻き込まれても「待て待て、私は元々“まあまあ元気”だったんだから、このイライラは私じゃなくて相手のものだな」と気づけるんです。
7. “相手の機嫌は相手のもの”マインドで対応
誰かが不機嫌そうでも、とりあえず深呼吸して「相手の機嫌は相手のもの。私は私」と唱えてみる(笑)。これ、最初は半信半疑でしたが、やってみると効果を感じました。
つまり、相手のイライラを全部拾わず「そういう日もあるよね。私はそこまで落ち込んでないし、大丈夫」と思考を切り替える。ストア派の哲学で「自分でコントロールできないことには執着しない」って考え方がありますが、まさに相手の機嫌は私のコントロール領域じゃないんですよ。これは徹底した方がいいな、と実感してます。
8. “聞き役”になりすぎない距離感
HSPは話を聞くのが上手と言われがち。でも、それが過度になると、相手の感情をいくらでもぶつけられて共感疲れを起こします。相手が相談してきても「そうなんだ、大変だね」とほどほどに受け止め、「私も今日ちょっと疲れてて…」と自分をフォローする。
最初は「冷たい?」と不安だったけど、実は多くの人は「親身に聞いてくれるのはありがたいけど、相手を巻き込みすぎたら悪いかな」と感じてくれるんですよね。結果的に、ほどよい距離が相手にも自分にも心地よかったりします。
9. “ガス抜き”のタイミングを用意する
共感疲れでエネルギーを失っていくと、いつか爆発しちゃう。私も「なんで私がこんなに疲れないといけないの!?」とキレる前に、ガス抜きのタイミングをあらかじめ決めました。
休憩時間や昼休みに外の空気を吸う
トイレに行って深呼吸&ストレッチ
ノートに「なんかイライラする…!」と書きなぐる
こんな小ワザで、少しでも感情を吐き出しておくと、負の感情の積み重ねを防げます。自分を大事にするって、こういう小さなガス抜きの積み重ねなのかもしれません。
10. “共感疲れ”を認めたうえで少しずつ練習する
もし今「周囲のイライラを全部拾ってボロボロ」なら、まずは**“共感疲れ”という現象がある**と認めるのが第一歩。「なんで私こんなにしんどいんだろう…」じゃなくて、「あ、これが共感疲れなんだ」と分かるだけで気持ちが軽くなるんですよね。
そのうえで、さっき挙げたような“境界線を引く”とか“相手の機嫌は相手のもの”と切り替える小ワザを少しずつ練習してみる。すぐには変わらないかもしれないけど、少しずつでも「全部拾う必要はないんだ」と思えるようになると、かなり生きやすくなるはずです。
まとめ:“全部受け止める”から卒業して、自分の感情を大事に
HSPとして他人の感情を鋭くキャッチできるのは、素敵な能力でもあるんです。でも、その分疲れやすいからこそ、ほどよい距離と線引きを学ぶことが大事。全部受け止めてしまうと、“共感疲れ”は際限なく続きますし、いずれ自分も燃え尽きてしまいます。
だからといって冷たい人になる必要はなく、自分が元気でいられる範囲で共感すればOK。相手の感情は相手のもの、自分の感情は自分のもの――その境界線をちょっと意識するだけで、ずいぶんラクになりますよ。私もまだまだ練習中ですが、少しずつ“全部拾う”のを卒業して、自分の気持ちにちゃんと目を向けられるようになってきました。もし同じ悩みを抱えている方がいたら、一緒に「ちょうどいい共感」を探っていきましょう。自分を守ることこそ、ほんとの優しさに繋がるんじゃないかと、私は思っています。