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間違ってる子を演じてきた〜HSP〜

いつもいつも母や姉から
ちがうよ、ダメだよ
ヘンなの、意味わかんない
何言ってるの?よくわかんない

そう言われ続けてしまったから
試しに私は
「間違ってる子」という姿をまとい
家族の中に降り立ってみた

スッと馴染み
家族の中での居心地がよくなったから
そのまま笑顔で
私は間違ってる子という姿を受け入れた

ヒョロヒョロと細くて小さかった私

間違ってる子だよ
これで合ってる?
合ってるみたい
間違えてる子で合ってるから
間違ってるのが正解

力のない笑顔で
間違ってる子として過ごした
ふざけてたくさん間違えた

正解もたくさん知っていたけど
みんなが盛り上がるから
あえて間違った方を言ってみたりもした

もっともっと
伝えたかったたくさんの言葉は
心にしまい込んできた

この和音はあの人みたいだね
とか
この色とこの色はあの子とあの子だよ
とか
水たまりに落ちる雨粒が宝石みたいに綺麗
とか
これから雨が降り出すにおいがする
とか
この風は天気が変わるお知らせだね
とか

だいたいが
よく分かんないと言われたから
伝えるのをやめた

だって私は間違ってる子だからね

つたわりやすい「間違ってること」を
選んで言ってみると
みんななんだか盛り上がってくれた


けどね、心にしまった言葉は
「感受性」というんだって

大人になって
ようやくわかった

同じ感覚を持ってる人も
たくさんいることを知った

感受性は本人にしか分からないもので
人に伝えるのは難しいから

感受性が共鳴できる人と
実際に出会えることは多分マレ

大人になってわかったこと

だから私は間違ってる子じゃなかった

家族とは
感覚が少し違っていただけ

今なら
心にできた空白に
たくさんの感覚を流し込んで
もっともっと感情を研ぎすませ
表現しても大丈夫なんだけど

もう大半はどこかへ行ってしまった

大人になる前に
もっともっと豊かな感性が育つよう
栄養を与えていってあげたら
よかったな


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