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留学記3 学生の主体性を重んじる=放置?

皆さんこんにちは。
トビタテ留学生として、オランダに留学する、あぷりこっとです。

今回は「2024夏、世界を知る旅✈︎」第3弾!


非効率すぎる〜〜〜!


学校に行く意味を尋ねられた時、明確な答えを提示できる学生が、今日本にどれほど存在しているのでしょうか。

私自身、教育や政治に関するセミナーを定期的に開催しているのですが、この問いを学生にかけてみると、「えっ、分かんない」と口籠る人が、殆どだったりします。

「友達に会うため?」という回答が返ってくることも。

「学校に行く目的が分からない」

これは、会社に毎日出勤し、目的が分からない作業をさせられているのと同じです。辛いに決まっています。

35人クラスに教師が1人、先生が一方的に授業し、生徒はノートを取り、発言を求められたら発言する。
これが一般的な日本の授業形態です。

だから、何事にも受け身になってしまうし、主体的に考えることが難しくなってしまう。日本の学生の自己効力感が低い理由に、この主体性の低さが関連しているというデータもあります。
(どの論文だったか忘れちゃったーーー!見つけたら貼り付けます!!)


両親も祖父母も同じ教育を受けたので疑問感を抱くことなく、当たり前だと感じてしまうけれど、よく考えてみると意味のない決まりに縛られているのがいまの学校教育です。 

4月生まれと3月生まれでは脳の発育が約1年違うのに、同じ授業を受けなければならない。一人ひとりの学力や得意な科目、苦手な科目は違うのに、同じ授業に集団で座っていないといけない。
下着の色や、髪型の制限といった校則。

レベルがバラバラな学生に対して教育しないといけない状況もとても難度が高いわけです。一方で教員の数、質共にを担保するのがとても難しくなってきている。



世界一主体的な教育


私は世界一主体的な教育と言われている、近年注目を浴びている、オランダ発祥の、イエナプラン教育を視察に行きました。

日本の教育と比較しながら、受動的な教育、能動的な教育、それぞれの長所短所を理解し、また、教員不足が年々深刻化している中で、どのようにして「個」にフォーカスする教育を実現しているのか、学ぶためです。


私が今回の3週間の留学で、「特に留学前とは大きく考えが変わったこと」を、複数回に分けて、綴っていきたいなと思います。


主体的な学習と、放置の違いって?


私は、冒頭で「個」にフォーカスする教育の大切さについて綴らせていただきましたが。

実際、主体性を養う教育と、放置は、とても似通っていたものです


先生が一方的に教え続ける授業を退屈に感じる学生は多いでしょうが、

同時に「自由に好きなことを学んでね!」という状況で、教員の管理がない状態も同様に、学生の学ぶモチベーションは、保たれづらいです。


実際に、その懸念感は、訪問したイエナプラン校を全てが抱えており、それぞれが明確な対策と工夫を凝らしていました。

例えば、こちら。

この学校では、場所ごとに学習する教科を決めており、生徒は自由に移動しながら勉強していくスタイル。各教室に先生が1人以上待機しているので、学習状況を把握しながら、それぞれにアドバイスしていました。

このマグネットを貼って移動するので、常にどの生徒がどこで勉強しているのか、把握できます。

次にこちら、教材。

自由に学習すると言っても教材はどの学生も同じものを利用し、月に1回テストを実施することで、進度を把握できるようにしているのだそう。


最後に、こちらの学校!
アムステルダムから少し離れた、ライデンという街にあるこの学校では、時間割をあえて設置し、生徒個人の科目ごとに学習の偏りを防いでいます。

これはあくまで一例で、その他にも沢山の工夫を凝らすことで「生徒の主体性を重んじる教育」を実現しており、一口にイエナプランと言っても、各学校によって全く色が異なるのが印象的でした。


留学後、各校の対策をまとめたレポートを、オランダ大使館で出会った文科省職員の方と協力して作成する予定です!
何かしらの形で、日本の教育カリキュラムの向上に役に立てればいいな。


次回は「知的障害を抱える学生の対応について、違和感が残った話」です。

ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
それでは、皆様の毎日が穏やかな幸せで満ち溢れますように!


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