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わたしとカフェと。

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味わい深い喫茶室での美味しい随想を
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tea break

tea break

昨日は雨だった。桜の開花宣言を耳にした後の雨。雨の奏でる音もひんやりした風が連れてくる雨の匂いも好きだけれど、折角、寒い冬を越して暖かい春の訪れを察知して咲いた桜が雨に打たれてアスファルトの萎れた絨毯と化すことが悲しくてたまらない。

どうか耐えてくれ、と願いながら桜の木をみつめる。

一度行ったカフェにもう一度行きたくなる理由は様々ある。わたしにはその理由が大きく3つある。ひとつめはまた居たくな

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共に存すること

共に存すること

SNSのおすすめにあがってきた1件のアカウント。飛んでみるとフィナンシェの上にぱっと咲いた桜。

週に3回という貴重な開店日のチャンスをうかがう。テイクアウトもできると知り、《桜のフィナンシェ》をテイクアウトしようと心に決めていた。

お目当てのフィナンシェは『お待ちしていましたよ』と言わんばかりの視線をわたしに向ける。ショーケースに行儀よく並んだ焼き菓子たちはどれも魅力的だ。

桜のフィナンシェ

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瓢箪から駒

瓢箪から駒

しっかりめの昼食をとるため、行き帰りは歩こう、と意識高い系女子を演出する。

いつもと違う風景は興味深いが、道を間違えないようにと神経を擦り減らす。あのコンビニが見えたら曲がるのね、とひとりで納得してスマートフォンをポケットに仕舞う。交通量は多いが、人通りは疎らだ。というのも今日は平日でお昼時を過ぎている。この時間なら空いているかもしれない、と思いながら足はぐんぐん前に進んでいく。

久しぶりに訪

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アップルパイの誘惑

アップルパイの誘惑

昔ながらの街並みが好き。新しく建設されるマンション。空まで伸びる高層ビル。AIと共存していく社会のなかであの頃から変わらない場所。忙しなく動かされる足がだんだんとスピードを弱めていく。路地を曲がり少し歩を進めると奥に見える望楼にトレードマークの赤い屋根。大正時代の面影を残した目的地は、大正という時代を生きていないわたしのことですら、懐かしいという気持ちにさせてくれる。

引き戸を開けて手前に並ぶ雑

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はちみつミルクティーとシフォンケーキ

はちみつミルクティーとシフォンケーキ

紅茶の香りを愉しむためのこの喫茶店に香水の香りはそぐわない。ランテルディもジャドールもこの日だけは留守番をしてもらう。

扉を開けるとカランコロンという鈴の音と共に茶葉の香りが鼻腔を擽る。この店のシンボルといえよう大階段を上り席に着く。予約を入れた訳ではないが、いつもわたしを出迎えてくれる角の席。わたしの特等席、と勝手に呼んでいる。

《はちみつミルクティーとシフォンケーキをお願いします》

紅茶

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