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コーポレートサイト掲載記事のインタビューをした話

こんにちは!Webrydayディレクターのみずこです。

この度、弊社にてダイソーウイング様のコーポレートサイトの制作を担当させていただきました。

制作には社員インタビュー記事のライティングとサイト掲載用の写真撮影が含まれており、 弊社のディレクターとカメラマンが各1名ずつダイソーウイング様の全拠点(北海道、東京、大阪、広島)にお伺いし、 インタビューの実施と写真撮影を行いました。
私は大阪を除く3つのセンターでのインタビューを担当しましたので、その際に得た学びやエピソードについてご紹介できればと思います!



株式会社ダイソーウイングとは?

株式会社ダイソーウイングコーポレートサイトトップ

まずは、ダイソーウイング様のご紹介から。
株式会社ダイソーウイング(以下、ダイソーウイング)は株式会社大創産業の特例子会社です。広島に本社があり、全国に6つの拠点を構えています。 各センターでは事務作業と軽作業をメインに大創産業からの業務を請け負っており、5~6名のスタッフに対して補助を行うサポーターが1名といった割合で在籍しています。

**特例子会社とは? **
特例子会社は、障がいのある人の雇用を促進し、安定的に雇用を継続できるように設立された会社です。それぞれの特性に合わせた業務の提供や環境面での配慮がされています。

今回のインタビューは、障がいをお持ちの方々がメイン。
経営者インタビューや採用サイト用の社員インタビューの経験はありましたが、障がいのある方へのインタビューは私にとって初めてでした。

インタビューの事前準備

【1】ヒアリングシート の準備

インタビューのためにまずはヒアリングシートを用意し、事前に対象者に回答してもらいました。採用コンテンツに掲載するためのもので、質問項目も採用に関する内容がメインです。

必須項目:

  • 自己紹介

  • 入社年数

  • 具体的な仕事内容

  • 所属センター

  • 担当業務

  • 入社のきっかけ

  • 仕事選びの重視点

  • 働きやすい点

  • 会社の好きなところ

  • 成長を実感したことやエピソード

  • 今後の目標やキャリア

  • 仕事の習得方法

  • 新しい仲間へのメッセージ

  • 1日の流れ

これらの項目は採用サイトのインタビューを構成する基本項目になるかと思います。

補足項目:

  • 趣味

  • 休日の過ごし方

  • 好きな業務

  • おすすめのダイソー商品

補足として、ご本人の人となりが分かるような情報を任意項目として追加で質問していました。こういったパーソナルな情報は会話が広げやすく、緊張している方にとっては特に有用になります。

【2】質問事項の策定

お戻しいただいたヒアリングシートを確認し、インタビューでの追加質問を検討していきます。
この先は担当者によってヒアリングの手法が異なってくるのですが、 私の場合はインタビューの柱となる部分を3点ほど絞り、その部分を深掘りするための質問を10点ほど用意しました。

【3】録音機器の準備

インタビューをできる限り自然な会話のなかで行うため、スマホアプリと連動させたピンマイクを使用して会話を録音をしました。
挙動確認は事前にしていましたが、当日録音できなかったということがないよう、 毎回インタビュー開始時に双方のマイクで音を拾えているかの確認を必ずしていました。


これまでに経験したインタビューと異なる点

ダイソーウイングのスタッフの方々は、サポーターの方以外は誰しもが何らかの障がいを抱えた方です。
サポーターの方も、障がいを持った方が身内にいらっしゃることが多いということなので 「話したくない」「聞かれたくない」内容が一般企業の採用インタビューよりも多いということを念頭に置いて、質問する必要がありました。

以下、担当のサポーターの方にお戻しのシート内でご指摘を受けた点の一部です。

・担当部署という聞き方は戸惑ってしまう可能性がある。所属センターという言葉を使ってほしい
・入社のきっかけを聞かれるのは精神的にきついので、削除してほしい
・仕事を選ぶうえで何を重視したかという質問は削除してほしい。入社の経緯を話したくない可能性がある
・エピソード、キャリアという言葉はわかりづらいため答えにくさがある。表現を変えてほしい。

「●●障がい」という一括りにする名前は存在しますが、その特性や程度は人によってさまざまです。
例えば知的・発達障がいを抱えた方のなかでは、固定の言い方でないと質問の意図が正しく伝わらなかったり、 ビジネス用語として一般的な横文字が聞きなれていない場合があります。
また、ここ最近では「発達障がい」に分類されるようになった特性も、個性や能力の一部として扱われてきた時代がつい最近までありました。 一般企業に入社されて、社会の中で不安や生きにくさを抱えて過ごしてきた方もいらっしゃいます。

今、生き生きと楽しく働いている方に、こちらの投げかける言葉ひとつで、心に影を落としてしまう可能性がある。

ヒアリングシートを作成時は、インタビューを受けてくださる方々の情報を把握していなかったため、一般的な内容ですべての方に同一の質問をお送りしていましたが、対象者の方々への配慮について考えさせられました。

これらのご指摘を受け、当日のインタビューで気を付けた点や進め方についてを以下でまとめています。


インタビュー当日の進め方

最初にお伝えしたこと

まずはじめに、これからする質問は、必ずしもすべてに答えなくてもいいということをインタビューの開始前にお伝えしました。

  • 聞かれて嫌な質問や、答えにくい質問の場合は答える必要はない。

  • 会話が盛り上がって喋りすぎてしまったと感じたときは「今の話は書かないで」と言ってくれれば大丈夫。

  • 理解が間違っていた場合は教えてほしい。話の内容を整理して確認することがあるけど、間違ってたら止めてくれてOK。

  • インタビューの記事ができたら確認をお願いするので、気付いたことや書かれて嫌なことがあれば言ってほしい。

相手の方の特性がどんなものなのかわからない以上、まずは気軽に話せる状況を作ることが必要でした。
そのため、会話を止めたり質問に答えなくても、私は絶対に嫌な気持ちになったりしないから大丈夫という意思表示をしっかりと伝えるようにしました。


実施中に気を付けたこと4つ

  1. 具体的な質問から入らない
    とにかく緊張を解いて話してもらうことが大事なので、最初はアイスブレイクから始めて、リラックスした雰囲気を作りました。

  2. 相手のテンポに合わせる
    話しながら混乱してしまったり、質問の意図がわからなくて黙ってしまったり…など、相手の特性に対する対応を探りつつ、話を進めました。
    不安気な様子を感じた際は、相手の言葉をオウム返しするなどで「ちゃんと聞いてるよ」とアピールしてみたり、落ち着いて話しやすい状態を目指しました。

  3. 素朴な質問から始める
    まずは、対話に慣れてもらうことが重要です。多くのことを考えなければいけない質問は避け、最初は簡単な質問から始めました。「はい」「いいえ」や単語で答えられる質問を繰り返し、言葉を引き出していくように進めました。

  4. しっかり相槌を打つ
    こちらの反応が鈍いと「変なこと言っているかも」「大丈夫かな」と不安にさせてしまう可能性があります。たくさん相槌を打って、相手が安心して話せるように心掛けました。

(実際にお話を聞くのがとても楽しく、私の勢いのある相槌が邪魔になっているタイミングがちょいちょいあり、音声データを聞いて猛省しました、、)


用意した質問に囚われすぎない、その場の状況に応じ柔軟な対応が必要

聞きたいことを全部聞くぞ!という気持ちが先走ってしまうと、独りよがりになってしまいがちです。
魅力を引き出す対話をするには、相手に「話したい」スイッチを入れてもらう必要があります。

  • 脱線を許容
    多少の脱線は気にしない。話しやすい空気を保つことが優先!
    質問で思ったような言葉を引き出せなければ、相手が話をしたくなるような話題(趣味や好きなものの話題)とつなげ、別の方向からのアプローチを重ねます。

  • 話題の掘り下げ
    好きなこと、というのは不思議なことに、普段無口な人からも言葉を引き出してくれる魔法を持っています。相手が好む話題が見つかれば、できるだけそれを深堀り。

  • 周りの人も巻き込む
    初対面の私と違い、サポーターとスタッフは普段から関わり合いが深く、しっかりとした信頼関係が構築されています。
    サポーターの方が同席されている場合、時には会話に巻き込むことで、よりリラックスした会話に変化したり、普段の様子が色濃く見えてくることがありました。


インタビューを終えて

今回のインタビューは、事前のヒアリングシートでのご指摘をもとに、いろいろな配慮をしながら進めましたが、参加者の皆さんがこちらの想像以上に楽しく話してくださいました。
もちろん初対面ということもあり、序盤は緊張されている様子が感じられる方もいらっしゃったのですが、会話が進むにつれいろいろなことをお話してくださり、とても楽しい時間を過ごすことができました。

ここで大切になってくるのが事前準備で決めた3つの柱です。
ただ会話を楽しむだけでは、インタビューの目的が達成できない結果につながりかねません。 あくまでも目的は、相手の魅力が伝わるインタビュー記事を作成するための構成要素を持ち帰ること。
できるだけ完成に向けてのピースを拾い集めつつ、その人の魅力がしっかりと伝えられるところまで、柱を補強するよう進めることが大切です。


さいごに

今回のインタビューをきっかけに、各センターで実際の執務室や作業場を見学させていただき、普段の運用や詳しい業務内容、みなさんのセンターでの過ごし方についても詳しくお話を伺うことができました。
在籍スタッフの方々の特性に合わせ、センターによって運用の仕組みを臨機応変に変えていたり、 スタッフが過ごしやすく、働きやすく、成長できる環境をみなさんが試行錯誤しながらも協力して作っていらっしゃったのが、とても印象的でした。

様々な人が共生する社会の中で一人の社会人として、いつかここを巣立っても一人で立って歩いていけるように。

お話をさせていただいたすべてのサポーターの方から、ウイングの理念への共感をしっかりと感じることができ、 あらためて「このサイトを絶対にいいものにしなければ…!」という気持ちを強めることができました。

こうして実際に足を運び生きた声を聴いたことで、出来上がったサイトにダイソーウイングの社風や在籍する方々のお人柄、考え方を色濃く反映できたのではないかと感じています。

ダイソーウイングについてもっと知りたいと思われた方は、ぜひコーポレートサイトをご覧くださいませ。 自社の制作ながら、ダイソーウイングの温かい雰囲気の伝わるサイトになっていると感じております!


また、制作範囲や内容については弊社実績ページにも記載しておりますので、よろしければご覧ください。

今回のインタビューでの学びを活かし、これからもよいクリエイティブをお届けできるようがんばります!

最後までご覧いただきありがとうございました。