食卓の向こう側(3)青春期内科 いびつな食生活 心と体病む
タイトルにある青春期内科は今でいう心療内科のこと。今日もまた2003年当時の食卓を紹介する。
過食、拒食、過敏性腸症候群、自律神経失調症、神経性うつ状態、パニック障害…。
何らかの要因で心身にゆがみを生じ、社会に適合できなくなった若者たち。
「病んだ心は体で訴える」北九州津屋崎病院の青春期内科は、そうした彼ら、彼女たちを受け入れている。
十二月上旬。昼下がりの病棟二階の一室に、入院している十数人が集まった。人の意見に耳を傾けながら、自分の考えを述べることで社会性を養う、週一回のピアエデュケーションだ。
※ピアエデュケーション(仲間教育)とは、テーマについて“正しい知識・スキル・行動を共有し合うこと”をいう。
「今日のテーマは『食べること』。みんなはどんな食事してた?」医師の森に促され、順番に語り始めた。
「その場にいない家族の悪口ばかり。楽しい会話なんて成立しない。一緒に食べることがイヤになって、一人自室で食べるようになった」
「父親不在でイライラしていた母親から愚痴ばっかり聞いてた。そんな食卓がいやで中学生のころからお菓子ばっかり食べていた」
「父が偏食。『こんなもん食えん』と母に文句をつけるのがイヤだった」
「食卓は説教の場でした。笑って食べることも許されなかった」
青春期内科には、約四十人が入院中。森は「九割にいびつな食生活がみられる」。入院当初はそれを引きずり、食事を満足にとれない若者が多い。
部屋にカーテンを仕切って閉じこもって食べたり、あるいは食べすにゴミ箱に捨てたり。
治療は、心理・精神療法だけでは難しい。生命の畏敬(いけい)、からだづくり、他人とかかわる全人的なケアが必要だ。
※全人的とは全人格を総合的にとらえるさま。人間を、身体・心理・社会的立場などあらゆる角度から判断するさまを言う。
その最も基礎的な訓練が、食行動の修正。食べ物になった生き物(動植物)の「命をいただく」感謝の念をもち、三度の食事を会話しながら楽しくとる。
「食」の自己コントロールができない限り、治療の道筋は見えてこないという。
森は言う。「家庭の食卓は、めいめいが好きな物を頼んで食べるファミリーレストランとは違う。あなたのことを考えて料理をつくったという、親の愛情を子どもに伝える場。そこで、子どもは自分が望まれて育ち、いまここにいるという存在感を確認する」
現実はどうだろう、親子の食事をとる時間がずれ、子どもが一人で食べる「孤食」の頻度は高い。
同じ食卓についてもテレビ画面を見ながら食べがちだ。
青春期内科を訪れる若者は増加の一途。年齢層は主婦を含めて四十代にまで広がった。
「ここに来る子どもと、その母親の持つ父親像は『恐怖』か『存在感がない』かのどちらか。だから、治るかどうかは母親の構え方しだい。両親で来るようなら必ず治る。帰る家の『食』が変われば、家庭が変わる」
増える摂食障害
国立精神・神経センター精神保険研究所の調査によると、摂食障害(過食、拒食などの障害)が増えていると回答した学校が中学校で45%、高校で54%に上った。
調査に応じた全国1231校は「やせることを推奨する社会(ダイエット)」「家族の問題」「ストレス」を主な理由に挙げた。
転載終わり
「孤食」と「個食」についてどう違うのか気になって調べてみた。
「孤食」
家族が不在の食卓で、ひとりで食事すること。
「個食」
家族が揃っているのに、全員が自分の好きなものを食べること。「バラバラ食」とも言う。
これ以外にも初めて聞く単語や表現があった。
ピアエデュケーションと全人的
記事にこの言葉についての説明はなかったけど、私みたいに意味を知らない人のために注釈を追加した。
今回の記事を読み、料理を通して愛情を伝えることの大切さをひしひしと感じた。
ていねいに愛情込めてつくるとほとんどの料理が美味しくできる。そして、それが相手に伝わるから機嫌よく完食してくれる。
今日は久しぶりにビーフストロガノフを三時間半オーブンで煮込んで作ったら「今日はフレンチだね」とデービッドが嬉しそうにつぶやいた。
時間がなくてバタバタしながら適当につくった料理は、すぐバレる。笑
一口でスプーンが止まり、食べてもらえないことが多い。(デービッドは美味しくないものは無理して食べない)
その料理を自分が食べると、やっぱり味がイマイチで反省する💦
昔はYouTube見ながらつくってたけど、今は料理に集中してる。
食材をていねいに扱い、美味しくなりますように!と愛情を込めて、できるだけ穏やかな気持ちで…
時短や簡単料理が重宝される世の中だけど、これからもできるだけ手間ひまかけて作りま〜す💖