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都心のオフィス空室率は何%まで上がるか?

戦略コンサルタントのアップルです。

コロナを契機に都会を中心にテレワークが普及し、オフィスに行く機会がめっきり増えた人も多いのではないかと思います。アップル自身も週に1~2日しかオフィスに行っていませんし、知人・友人に聞いても(コンサルに限らず)そんな働き方になっている人がたくさんいるようです。

つまり、ホワイトカラー中心の企業では、オフィスが「スカスカ」な状態になっていると思います。スカスカな状態が続くと「こんなに手広くオフィスを借りていても無駄だな」とテナント側は考え、オフィスの縮小や引っ越しを考えはじめるでしょう。こうした形でオフィスの需要がかなりの程度減り、需要と供給のバランスは大きく変わっていくはずです。

上昇に転じた都心のオフィス空室率

オフィスの需給バランスは空室率で測られます。オフィス仲介大手の三鬼商事が毎月都心の空室率を発表していますが、それによると、都心5区の空室率は3月から6ヶ月連続で上昇しています。直近の8月は3.07%と久々に3%台に乗りました。

オフィスの賃貸契約の契約期間は2~3年なので、需要の減少は2~3年かけてじわじわと空室率の数字に現れてきます。今回も、コロナの収束時期次第ではありますが、2~3年は空室率が上がり続ける可能性が高いのではないかと思います。

空室率は何パーセントまで上がるか?

2008年秋に起きたリーマンショックのときは、2~3年かけてじわじわと空室率が上がり続けました。リーマンショック発生時には2%台でしたが、最終的には9%まで上昇し、その後しばらく高止まりしました。

では、今回はどこまで空室率が上昇する可能性があるのか?

需要と供給の動向次第なので一概に読めない部分もありますが、リーマンショック後の9%より高くなる可能性があるとアップルは考えます。

というのも、今回のコロナは、景気の悪化に加え、働き方の構造的な変化をもたらしたからです。

リーマンショックのときは、まだまだテレワークという言葉すらほとんど普及していませんでした。アップルも当時社会人でしたが、オフィスワーカーはオフィスで働くのが常識でした。オフィスでノートPCを使っていてもそれを自宅に持ち帰ることは禁止されている。オンライン会議システムなどみじんもない。こういう状況でした。

もし仮にリーマンショックの頃に今回のコロナが起きていたとしたら、今頃はもう毎日のように出勤していたでしょう。オフィスに行かないとまともに仕事ができないからです。

一方で、今回のコロナでは、テレワークを支える技術・サービス基盤のもと、テレワークが爆発的に普及するトリガーとなりました。この流れは不可逆です。

このように今回は、景気悪化によるオフィス需要の減に加え、オフィスで働くという文化の崩壊がもたらすことによるオフィス需要の減があります。その分だけ空室率への影響も大きくなる可能性が高いでしょう。

2年後くらいにはオフィスの空室率が10%を超えているかもしれません。
そうなるとオフィスデベなどのビルオーナーは相当厳しくなるはずです。


今回はここまでです。
オフィスの空室率や賃料の動向、その中で出てくる課題やビジネスチャンスについては今後も定点観測して記事にしていきたいと思います!

最後までご覧いただきありがとうございました!




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