科目6:音楽 について
国際バカロレア(IB)Diplomaコースのグループ6では芸術科目を学ぶ。科目は、音楽、アート、演劇などから選択する。これらの科目は、大学入試時、ほかのIBの科目と同じように評価される。日本のセンター試験に芸術科目がないためか、これらの科目が一般大学の入試できちんと評価されるとは、今まで思ってもみなかった。だから、IBで正式な科目として、力を入れて学ぶことができると知ったときは、嬉しかった。私は音楽が好きなので、科目は迷わず音楽を選んだ。
授業では、中世からジャズまでの音楽を一通り学ぶ。各時代の作品を聴きながら、楽曲の形式や特徴を分析する。特に、これまで聴いたことがなかった中世の音楽はとても新鮮で、ただ単旋律で奏でられる音の連なりに、なにか「はじまりの神秘」を感じた。その後、複旋律や和音が追加されることで、現在のような音楽へと変容していく。全ての時代を学習し終えたときに、各時代の特徴だけでなく、1つの大きな流れで音楽を捉えられるようになったと感じ、視野が広がった。
他には、世界各国の民族音楽を聴き、音階や民族楽器についての勉強を行う。いろいろな国の音楽を比較してみると、地理的には離れているのにどこか音楽的に似ている要素があったり、はたまた全く違ってエキゾチックだと思うこともあったりし、興味深かった。音楽を通じて世界の文化への理解が深まる、良い機会を得られた。
最終試験では、全く知らない音源を試験会場で聴き、いつの時代の作品か、どこの国の音楽か、音楽的にどんな特徴があるかなどを分析し、論文形式で解答する。授業では、こういった学習もカバーしている。
20分の実技試験も必須だ。IBで音楽を選択するために、どのくらいのレベルが必要かと聞かれることが多々あるので、実際に試験で提出した録音を、後の投稿で複数載せる予定だ。余分に録音していたようで、トータル40分データがあった。どれを出したか覚えていないため、特に選ばず置いておく。録音は普通の場所で、先生から借りた録音機を使って行った。良し悪しはともかく、HLレベルで、実技評価はフルスコアだったので、少しでも参考になれば嬉しい。
IBの音楽は、音楽が好きな人へ本当におすすめな科目だ。自分の興味ある音楽ジャンルから、そうでもなかったジャンルまで、自然に触れることができ、それが自分の好きな音楽へのさらなる理解に繋がる。また、曲を聴いたり、演奏したりするときに、どの時代の要素が詰まっているかを考えることができ、より音楽を楽しめるようになる。好きなものを好きなだけ学び、それが大学入試でも評価されるのは、とてもハッピーなことだ。