科目選択、戦略のススメ
国際バカロレア(IB)で最初に悩むのは、科目選択かもしれない。
これまでの記事でも紹介してきたが、IBでは自分で6つの科目を選び、2年間学習する。自由に科目を選択できるため、何を学ぶか迷う人も多い。
例えば、科目3で地理と歴史のどちらを学ぶかについて悩み、最初のうちは両方の授業に出席して、科目を選択する人も多くいた。
また、科目6では音楽やアートといった芸術科目を学ぶ以外に、経済や化学を選択することもできるため、より選択の幅が広い。自分の興味や能力、大学で学びたい学問について考慮しつつ選んでいく。特に、アートは実際に作品を複数作り、その出来によって成績がつけられる。評価はなかなか厳しそうで、選択するか迷っている人はいた。
このように、科目を選ぶだけでも大変だが、追加で科目別の学習レベルも決めなければならない。レベルはハイヤーレベル(HL)とスタンダードレベル(SL)に分かれている。カリキュラム上、6科目中少なくとも3科目でHLを選択する必要がある。HLではSLより履修時間が増え、より広い範囲を学ぶことができる。
私は興味ある科目を学びつつ、あまり苦しむことなく最終スコアも良い点数が取りたい…と考え、科目とレベル選択を行なった。
例えば、日本人は数学が得意な人が多い(?)からと、先生から数学のHLを勧められたが、SLを選択した。これまで英語で学んでこなかった地理や生物の学習に時間を割きたいと思い、数学はあまり労力をかけずに成績を取りたいと考えたからだ。理系進学に興味がなかったというのもある。
地理と歴史の選択については、以前の記事で述べた小さな理由以外だと、歴史を学ぶことへの興味はあったが、同じように学んでみたいと思った地理の学習内容の取っかかりやすさに惹かれたからだ。しかし、試験は点数を取るのが普通に難しく、この選択が正解だったのかは分からない。
そんなこんなで、いろいろ考えながら科目を選択し、2年間学習したが、特に後悔はなかった。コース中に科目を頻繁に変えるのではなく、ある程度のゆるい戦略を立てて科目を選び、腹をくくって学ぶことが大切かなぁ…と思う。