科目5:数学 について
国際バカロレア(IB) Diplomaコースのグループ5では数学を学ぶ。 IBでは自分が学びたいものに力を入れられるよう、各科目をハイヤーレベル (HL) 、スタンダードレベル (SL) のどちらで学ぶかも決められるのが特徴だ。カリキュラム上、6科目中3科目以上でHLを選択する必要があり、選んだ科目やレベルによって、大学入試時に出願できる学部が変わる。理系志望の人は、ほとんどのケースで数学HLを選択する必要があるため、注意が必要だ。HLとSLの違いについては、また別の機会に触れたい。
IBの数学では、授業、試験を問わず、グラフ電卓とIBオリジナルの数学公式集を自由に使える。日本の教育では、小さい頃から公式を覚え、手計算が当たり前だったため、最初は少し驚いた。しかし、IBは応用力や活用力を重視している教育で、特に電卓や公式集を使ってはいけない理由も思いつかず、これらを用いて問題を解くのは、全く別のアプローチで面白いと感じた。数学教育の本質は計算か、概念の理解か。IBの授業を受けて、再度考えさせられた。
授業は教科書に沿って行われる。変わった内容としては、グラフ電卓を使い、電卓に関数を表示させて解く問題があった。数値を入れて、ゆっくりと電卓上にグラフが表れた時には、友人と思わず声を上げた。電卓の画面自体は、昔のたまごっちのようにアナログだったが、新たな体験はとても新鮮だった。使えるツールはとことん使って勉強したいという人にIBの数学はおすすめだ。
最終試験では、言語的に不利になりにくい数学で、きちんと点を稼ぎたいと考えていた。公式集と電卓を両手に、イレギュラーな環境でも、日々ポジティブに楽しみながら学ぶことが大切かもしれない。