#ネタバレ 映画「恋するマドリ」
「恋するマドリ」
2007年作品
結衣だってハードボイルドする
2015/5/6 16:50 by さくらんぼ (修正あり)
( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)
同居中の、仲の良い兄弟や姉妹は、他人が見ていても気持ちが良いものですね。
でも、ある日突然、1人が、見知らぬ誰かと結婚したとしたら。
そのとき、残された者は、複雑な気分になるかもしれない。
恋人を取られたような、三角関係に敗れたような、同士に裏切られたような…そんな気分に。
変な意味ではありませんよ。
もちろん兄弟姉妹は恋人同士ではありません。
でも恋人ではなくとも、仲良しであるがために、ショックと哀しみが湧いてくることがあるのです。
これを防ぐにはどうしたら良いか。
兄弟姉妹にも、結婚する話は、早めに伝えておくことです。
前々から、自分には、本気でつきあっている人がいることを、それとなく話しておいたり、実家から転居する正確な日時も、決まりしだい、出来るだけ早く教えます。
結婚式が5月5日でも、新居への引っ越し作業などで、実際は4月後半に実家から出てしまうこともあるでしょう。その日時を教えることは重要です。
しくじると、一生グチを言われますよ。
言われなくとも、残された者には、一生わすれられない哀しい思い出となります。
「えっ! 今日から、もう家を出るの…」って。
映画「恋するマドリ 」でも、主人公のユイは、姉ができちゃった婚での転居をする直前まで、それを知らされていませんでした。
それどころか、姉は詫びずに「お祝いを言え」と、喧嘩腰でせまったのです。
そのうえ姉からは、喫茶店を開くという、結婚とは別の夢を聞かされていかたら、それに一所懸命に協力していたユイ。
「だまされた」、「軽く扱われた」、「ばかにされた」。
ユイはそう思ったことでしょう。
それに、追い打ちをかけるように、姉は言ったのです。
「恋愛で、カッコなんか、つけて、られないわよ!」。
ある意味、正解でもあります。
でも、ここで言っちゃあ、おしまいよ、ですよ。
約束を破った親をにらみつける、おさない子ども顔をするユイ。
このときユイは誓ったのです。
「恋愛では、意地でもカッコつけてやると」。
ここに「ハードボイルド結衣」の誕生です。
引っ越し業の、やさしきプロレスラーたちは、ハードボイルドの記号でしょう。
名車コルベット・スティングレイをあやつる謎のオバちゃんもそう。
その直後に、ユイが巻き込まれるのが、難問、三角関係の恋愛。
その修羅場で、精一杯、やせがまんのカッコづけをするユイ。
しかも、じっと我慢しているだけでなく、最善のために行動もする。
ELの三原色で、光の弱いグリーンとはユイのことでしょう。
やがて、だんだんと光は強くなり…
いろいろドタバタしましたが、そのせいあって、ラストに吹く風はさわやかでした。
これは、映画「四月物語」に吹いていた風と同じです。
いろんな感情の入り混じった春の風。
ちなみに、私の半生の恋愛はどうであったのか。
たぶんハードボイルドにはなれなかったし、チャップリンにも健さんにも、なれなかった。でも、相手には誠実に接すること、それはだけは、できるだけ努力してきたつもりです。
天国の門で、神様に弁明を求められたら、せめて、その辺りを、セールスポイントとして話してみようかと思います。
ポッキーのCMで注目を浴びた美少女・新垣結衣さんも、現在は大人のレディになりましたが、この映画では、まだ幼さを残しています。。
でも、その目に宿るクールな光がハードボイルドに抜擢された理由でもあるかもしれません。
ファンには至福の2時間。
追記 2022.9.25 ( お借りした画像は )
キーワード「結婚」でご縁がありました。お菓子もカラフルですし、缶のふたの絵も良いですね。少しだけ上下しました。ありがとうございました。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)