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#ネタバレ 映画「シルミド/SILMIDO」
「シルミド/SILMIDO」
https://eiga.com/movie/1655/photo/
起点
2004/6/12 10:23 by 未登録ユーザ さくらんぼ (修正あり)
( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)
主人公には北朝鮮に渡った父がいるため、韓国の罰則「連座制」のために苦しみ、やがて684部隊へと流れ着く。
684部隊は死刑囚集団である。刑の取り消しを条件に暗殺部隊員になったのだ。
しかし連座制の話はここだけではない。
684部隊を指導していた上官たちは、上層部の「684部隊を抹殺しなければお前たちも一緒に殺す」という命令のため、やむなく動いた。
当時の上層部がその様な命令を出した背景には、「北朝鮮での金日成の暗殺計画を中止した今、不要になった684部隊の存在が外部に漏れると、今でも韓国が野蛮な国だと思われる」からだと映画で語られていた。役人たちは責任問題を恐れたのかも知れない。
684部隊は刑の取り消しどころか、逆に当局から暗殺対象にされる事になる。
これらも”大きく括れば”連座制を恐れての行動と見る事が出来る。
そのほかにも部隊の中で誰かが不始末をすると、全員が罰を受ける様なシーンも出て来た。またラストのバスの中で主人公は自分の名前を記さない。誰かに迷惑がかかる事を恐れたのだろうか。
これらから、この映画のモチーフは「連座制」だと思われる。
684部隊が本当に死刑因の集団だったのか否か、他にも、描かれていたどこまでが真実なのか真相は知らないので、今回はそちらの問題には触れない。
ただ、監督はモチーフである「連座制」を取り上げるために、ドラマの起点として死刑因を描く必要が有ったのではないかと、ふと思う。
では、すでに廃止されている連座制の制度を今なぜ取り上げる必要があったのか。それは684部隊の事件が封印されたドラマの終点には、すでにお話したとおり、連座制があったからだろうか。
つまり終点を描くために起点が用意されたのかもしれないのである。
そして、その先には「連座制」を通して、廃止されても、なお人々の心の中に残るそれと似た感情(色眼鏡・偏見など)について問題提起があるのだろうか。
ソル・ギョングのファンとしては観るしかない映画だった。
ラストにもう少し「シュリ」や「JSA」の洗練が欲しかったが、この泥臭さも味わいの内だろう。
追記 2022.11.10 ( お借りした画像は )
キーワード「韓国」でご縁がありました。おいしそうなパリッとした韓国海苔のおにぎりですね。グリーンピースが入っているのも、タクワンも嬉しいです。少し上下しました。ありがとうございました。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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