#ネタバレ 映画「1917 命をかけた伝令」
「1917 命をかけた伝令」
2019年作品
「全編ワンカット」、ではない
2020/2/16 9:23 by さくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)
この映画「1917 命をかけた伝令」、映画館で何回も予告編は観ましたが、本編はまだ観ていません。私は観ていない映画についても(観ていないと前置して)何かしら書くことがあります。ストーリーも知らないのにネタバレの文言は疑問ですが、いつか観る機会のためにもそのままにしておきます。
この作品、私の早とちりかもしれませんが、「全編ワンカット」の映画だと信じていました。
映画「カメラを止めるな!」の30分以上にわたる長回しを観ているので、全編ワンカットというのはさぞかし大変だっただろうと、とても驚いていたのです。
しかし、映画「1917 命をかけた伝令」は、「全編ワンカットではなかった」ようですね。
もちろん、その事だけで映画の価値が決まるわけではありませんが、新聞を読んで、もういちど驚いたのも確かです。
きっと他の方も書いておられるでしょうし、映画ファンの「常識」かもしれませんが、あまりに驚いたので書きました。
『 全編119分をワンカット・ワンシーンで撮影したように見せるのが趣向だ。実際には、ノーカットで撮ったシーンを巧妙につないでいる。この手の技法は、目新しいものではない。古くはヒッチコックの「ロープ」、最近ではノルウェー映画「ウトヤ島、7月22日」がある。 』
( 「朝日新聞」 2020.2.14(夕)3面 「プレミアシート 1917命をかけた伝令 趣向の勝ったスリラー」 秋山昇・映画評論家 より抜粋 )
追記 ( 「伝令」と「通信兵」、そして「Clubhouse」 )
2021/2/6 9:51 by さくらんぼ
戦後アマチュア無線が再開されたとき、国会等で「有事には通信兵としても使える」と答弁されていたという話を、若い頃にどこかで読んだ記憶があります。
私がその免許を取ったのは20代前半でしたから、その頃から、微かに「赤紙」への恐怖は継続していました。
しかし、赤紙に応じるという誓約書を書いた覚えもありませんし、学んだ電波法等にも通信兵の記述があった記憶はありません。
それに、仕事は命をかけるに値するものかもしれませんが、趣味は命がけでするものではないという理屈にも、考え至りました(しかし、もし私のような臆病者ばかりなら日本は大変だと、ロシアのウクライナ侵略を見て思いもしました)。
その他にも、赤紙ではなく、災害時の非常通信のためにアマチュア無線は活躍しますから、そういう目的で市町村役場等に無線クラブが作られることがあります。有資格者が集まらなければ外部に声をかけられる可能性も否定できません。
そうこう言っている内に、今はもう年金生活者になりましたから、いまさら赤紙が来るとは思えませんが。
追記
ご承知のように、アマチュア無線は見知らぬ人々と雑談ができる趣味です。
老若男女どころか、肩書も身分も超えて世界中の人と話せるのです。万一言葉が分からなくてもQ符号という無線の共通言語と、片言の英語ぐらいで交信に必要な最低限度の意思疎通は出来ると思います。交信の証であるQSLカードの交換ができます。半世紀前にはどこかの王様もやっておられるとの話もありましたが、現在はどうでしょうか。
遠くの友人を求める高出力SSB・DX通信や、近くにしか飛ばない小出力AM波をつかったローカル通信。
毎週一回程度、時間を定めて大勢が集まるロールコールミーティングもありました。
そして、交信するだけが無線の楽しみではなく、ラジオのように聴くだけのワッチと呼ばれる楽しみ方もあります。
一度でも会話すれば友だちであり、旅のついでに「訪問したい」とお願いしても失礼にはならないとさえ言われていました。私も1~2度会話しただけの近所の方から「会おう」と言われたことがあります。当時シャイな私は丁寧にお断りしてしまいましたが。
追記2
20代に免許を取った私、皆さま良い方ばかりでしたが、やがて音声による会話が苦手だと気づきました。
私が小学生の頃に開通した新幹線が通る時に、架線から出る火花のノイズ(妨害電波)が煩いこともありましたが、シャイな私は聴くだけオーディオの方が好きだと気づいたのです。
発声をしなくてすむモールス信号に切り替えようと上級の免許も取ってみました。今は一部省略されているようですが、当時は送・受信の実技試験があり結構大変でした。
しかし、クルマでもそうですが、免許に合格するという事は最低限度の技能であり、実戦でドライブを楽しめるようになるためには、さらなる精進が必要なのです。
ですから、モールス信号で一度も交信することもなく、躊躇している内に、世はインターネットの社会になってしまいました。職場でもパソコンが導入されましたので、それを機に、今度はブラインドタッチを学びました。
その後、証券会社に口座を開いた関係でネット環境も必要になり、私はモールス信号のアマチュア無線から、キーボードのインターネットへと鞍替えしたのです。
そして現在の私があります。
追記3
なぜこんな話をしたのかと言えば、Clubhouseとかいうものがネット社会にも現れたらしいからです。
スマホどころか、ガラケーもない時代に、トランシーバーでアマチュア無線をしていた私、そんな私が無線を休眠していると、後輩のスマホが、「おまえ持ってないのか」と冷ややかな視線を浴びせていますが、今度は、見知らぬ人との雑談という既視感のあるClubhouseの出現なのです。
追記4
ちなみに電波法上のアマチュア業務(試験のために条文を暗記する必要あり。当時はマークシートではなかったので「条文を書きなさい」という問題が出た。)は、電波法施行規則第3条第1項第15号で、「金銭上の利益のためでなく、もっぱら個人的な無線技術の興味によって行う自己訓練、通信及び技術的研究の業務をいう。」となっていて、「雑談」とは書いてありません。
追記5
アマチュア無線が日本で再開された当時は、今のように完成品の無線機が多く出回っておらず、自作する人もいたようですし、アンテナや手続きの事など、初心者は分からないことも多いので、近所の初対面のアマチュア無線家の家を訪ね、教えを乞うたりすることも有ったようです。
追記6
なぜ条文の話をしたのかと言えば、雑談OKだけだと、 有線電話のように公序良俗に反するネタでも良いと誤解される心配があるからです。
昔、「ひとたび電波を出せばタヌキ(キツネだったかな)が百匹聴いている」とか言われていました。誰もいないと思っていても、会話する相手だけでなく、黙って聞いている(「ワッチ」と言います)人が未成年者を含めて100人はいるという戒めだと理解しています。
ですから、映画、旅行、グルメなど、普通の雑談なら良いですが、逸脱行為があまり目に余ると、当局から電波法違反を言い渡される心配があります。
追記7
アマチュア無線家には常識ですが、「同じパワーでもモールス信号は遠くまで届く」のです。
なぜかというと、音声信号は微妙なニュアンスが届かないと解読不能になりかねませんが、トン・ツーのモールス信号は、0・1のデジタル信号にも似て、微妙なニュアンスを必要としませんので、雑音の中に在っても解読しやすく、結果的に同一パワーでも遠くへ届く(あるいは同じ距離なら小パワーで届く)のです。
ですから、通常は音声信号で交信をしていても、悪条件が限界点を超えると、モールス信号ができる人たちだけは、モールス信号に切り替えて交信を続けることが出来るのです。この違いは非常通信・遭難通信において、時に生死を分けることになります。
でも、「トン・ツーだけのモールス信号は味気ない」という先入観もあると思いますが、モールス信号にも文体・書体があるのです。
文体は分かりますね。雑談するときは、基本的に話し言葉をモールス信号にするわけですから、個性が出るはずです。
書体というのは、書き癖ならぬ(良い意味での)打ち癖のことです。基本的な打ち方は電波法等で決まっていますが、実戦では人によってスピードも違うでしょうし、文末のツーを粘るように伸ばす人もいて、個性が出るのです。ユーチューブにもモールス信号を打つものがありますから、一度ご覧ください。無機質に見えるクルマの運転も、人によって違うのと同じですね。
追記Ⅱ ( 生還した通信兵の証言 )
2021/2/6 13:52 by さくらんぼ
日本兵が籠る地下壕に米軍はガソリン入りの水で攻め、火炎放射器で火を放った、絶望の地獄絵図だった…硫黄島の真実、生還した通信兵の証言(下) 」( 2014.8.21 07:00 「産経WEST」 )
追記Ⅲ 2022.5.10 ( お借りした画像は )
「手紙」で検索してご縁がありました。癒される緑ですね。無加工です。ありがとうございました。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)