「視線」 青山勇樹
「視線」という詩を紹介します。
ふたりでいるときよりも
ひとりでいるときのほうがずっと
あなたのことを感じていられる
恋のはじまりとは嫉妬でしかない
そんな感情をもてあましながら
まぶしさについて考えている
光はどこかに闇があるので
あんなにかがやいていられるのかしら
たとえどんなにあなたが愛されようと
あなたについて考えることだけは
つねに私に許されていてほしい
窓辺に置かれたグレープフルーツが
私のまなざしに耐えきれず
ちょうどいま転げ落ちたところ
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あなたの心に、言の葉を揺らす優しい風が届きますように。光と戯れる言葉のきらめきがあふれますように。