熊は自然災害なのだろうか?
『羆嵐』吉村昭 (新潮文庫)
小島慶子のラジオで知ったので購入したのは東日本大震災(2011年)の頃だと思う。それから積読状態だったのだが、アイヌの映画を見たり、船戸与一『蝦夷地別件』を読んだりして、北海道の開拓農民の話かもと想い出して手に取る。自然と人間の開発ドラマであり、羆は荒ぶる神的な位置だと思う。
アイヌでは熊は神であるわけだし、和人の北海道開発が原因かと思われる。しかしノンフィクションという体裁を取りながらもエンタメ小説で羆の恐ろしさがホラーのように描かれている。羆の恐ろしさは、被害者の悲惨な様子と熊に遭遇した猟師たちも竦んでしまうぐらいの凶暴さに描かれる。羆が途中からいつ現れて襲われるのかというのはホラー感を演出している。
途中で村のはぐれ者の猟師銀四郎と羆の戦いになるが、犬のアニメでそんなのがあったよな、と検索したら『銀牙 -流れ星 銀-』だった。
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