石川啄木短歌
今日から『悲しき玩具』に入る。この歌集は生前発表された『一握の砂』に続いての第二歌集だが、啄木の死語に発表された。まさに夭折した歌人で、笹井宏之と同じパターンなんだな。笹井宏之が注目されたのも啄木の影響もあったかもしれない。友人の土岐哀果の奔走によって出来たという。土岐哀果は、今日日記で取り上げた土岐善麿の歌名だった。
この凩の歌は啄木の肺結核の音だという。ほとんど絶筆前の歌らしい。伝説になる歌だよな。
模範十首
今日も福島泰樹『中也断唱』から。
「真鍮の光沢」の冷たさ、泰子の笑みが思い浮かべられる。
「歯刷子」は「歯ブラシ」。中也の冷静さがあるように思えるが、
江戸弁の口語体がべらんめえ口調。「蚊帳」で泰子の引っ越しの荷物をまとめる情景描写の短歌。
「素っ頓狂な鏡台の顔」がいい。どっちの顔だろう?中也か泰子か。泰子の方が二人の視線が交差するからいいかな。
小林秀雄とは一目惚れの泰子だったのか。中也の強がりの中にある悔しさ。
中也と小林秀雄は親友だった。そこに割って入ったのが泰子である。
泰子の壊れやすさをすでに暗示しているのか?後に小林秀雄も別れることになるのだが。
中也は月の歌が多い。太陽ではなく、月だと感じていたのか?
帰りの一人電車の中で泣いているのか。
電車が蒸気機関車になっている。それほどの号泣なんだ。
短歌の私、日本の私
「うたの日」お題
もう昼過ぎてしまった。今日のお題は、「裏切」「義理」「リストカット」「豆腐」「服」「円安」「砂」だった。もう「砂」で行くしかないでしょう。啄木の威信を賭けて「砂」で勝負です。
これでいいかな。砂の輪唱。短歌のテクニックで場面の転換というのがあった。これは場面の転換が出来ていないな。上句に暗い情景だったら、下句は明るい情景。
八音が5つの節で出来ている説。
いいんじゃないか。でもきみが一人称的に読まれるかもしれない。きみは二人称的に読んでもらいたいが。
結果
♪5つだった。砂一つに♪一つところ。❤が5つ欲しかったけど。まあ、啄木ごっこだから諦めもつく。
トップ
「黙って口をひらいた」は言葉なしにということか。比喩系は強いんだよな。
「裏切り」を裏切るようなポジティブな短歌だな。こういうのを見習いたいけど作れない。
別れの朝ということなのか?いまいちよくわからない。
「リストカット」でも笑いを取らなければならない姿は悲しすぎる。
実質こっちがトップだった。でもこれもなあ、それを美しいと言ってしまうところに?
「豆腐を切る」ことが「朝のひかり」の比喩なのか。大袈裟すぎるけど、題詠だから。