移民おたく系のヴァカンス映画
『みんなのヴァカンス』(2020/フランス)監督ギョーム・ブラック 出演エリック・ナンチュアング/サリフ・シセ/エドゥアール・シュルピス/アスマ・メサウデンヌ/アナ・ブラゴジェビッチ
フランス映画の伝統として良質な「ヴァカンス映画」というのがある。これもその一本に加えたい映画だ。それほど大したテーマはないのだが、低所得層の移民が楽しんだヴァカンスということになるのだろうか?最初はロードムービ風の凹凸コンビのヒッチハイクの可笑しさ。
車に乗せてくれるのが金持ちの坊っちゃんタイプ。三人のキャラが魅力的。イケイケ黒人はパリで出会った恋人を追ってオタク系の黒人をヒッチハイクに誘う。凹凸コンビのロードムービー的な解放感のほのぼの映画。金がなくても楽しめるキャンプ生活というような。
たぶんヴァカンスにも行けない層が観る映画なのかなとは思う。そういう意味ではファンタジー映画だ。オタクの黒人に人妻の恋人が出来るのだから。あと音楽とダンスが楽しい。カラオケも日本のように上手く歌うのじゃなくみんなで歌うというスタイル。大雑把な感じがいい。
それとフランスの自由な感じがいいのかな。お金がなくても楽しめるというような。日本のリゾート地とは違う感じがする。フランスも実際はもっと階級差があると思うのだが、この映画では階級差が取っ払われる。