「東京都同情塔」よりも「虐殺器官」
『虐殺器官』伊藤計劃
100分de名著ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』で伊藤計劃『虐殺器官』が引用されていたので思い出すために過去ログから。
ジョン・ポールはレノン&マッカートニーみたいだ。ローティで引用されたのは生成文法のところで、国家による文法が少数民族の言葉を虐殺し、それが民族間の対立になり、少数派に対してジェノサイドが起きるということを言っていた。それだ!と思った。虐殺というか排除されるのだ。例えば日本語が出来る出来ないというように(関東大震災の朝鮮人虐殺もその例として上がっていた)。今はパソコンが出来る出来ないで排除されていく。
もう少し詳しく述べるとルワンダでジェノサイドが起きたときは、人権という国連機関の言葉がまったく役に立たなかった。まずルワンダはベルギーの植民地化されツチ族とフツ族に分けられた。独立運動が起きて今度は少数派であるフツ族に対する恐怖が広がっていく。やがてツチ族の間で「ゴキブリ」という蔑称がフツ族に与えられるとラジオはフツ族虐殺を煽った言動や曲を流した。それがきっかけとして全国的にジェノサイド運動が広がっていく。
これはアフリカの開発途上国だから起きたのではなく、ボスニア戦争や最近のイスラエルのパレスチナ人虐殺まで世界的規模で拡大している。
それがコトバを排除していくプログラムといわれる生成文法なのだ。それはAI化による「東京同情塔」と同じシステムなのかもしれない。
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