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Geminiに反抗する爺春を詠む
腹痛。昨日は胃がむかついていたのだが。昨日続きを書いたのだけど忘れた。そうだAIの俳句批評で現代語は受け付けないのであまり信用出来ないな、と思っていたら、俳句は参照性文学で過去の俳句を参照して俳句らしい句を作るというのが『現代詩手帖2023年12月号』に掲載されて、その批評の論考について書いていたのだが、これは俳句だけの世界ではなく「間テクスト性」というオリジナルの文学も先の文学のなにかしら影響を受けているということで、本歌取りもそういうことだと思うのだが、それは座の文学に成りやすいのかなと思った。そこに新しい言葉を合わせようとすると反発される。それはAI批評をやっていても現代語のカタカナ言葉は俳句の言葉とはみなされず変えろという。そうした諸々もあってAIはいまいちというか過去の言葉の集積なら、それこそAIに俳句を作らせとけばいいと思うのだが、俳句本来のその瞬間の感情の表現とかは必ずしも俳句的な言葉でもないのだ。
それで短歌でも座の文学と言われるのはそうした訓練を受けたものが内輪でやるのが文芸的なのか、と思うとそれは文学じゃないと思う気持ちがあるのだ。現代詩もそうした内輪でやっていて世代的な感性もそんなもんかなと思う今日この頃。そういうことを取っ払うのが読書だと思うのだ。それは新しい世界を連れ出していくものだ。
昨日はハン・ガンの『ユリイカ』特集号を読んで、精神科医の宮地尚子『トラウマ』を少し読んだ。
それは、斎藤真理子『韓国文学の中心にあるもの』にあるものとも繋がることで戦争がトラウマとなるのは中井久夫『樹について』でも書かれてあったので、日本でトラウマが問題になったのは大震災の頃で東日本大震災でも神戸の震災でもいいのだが、そうした自然災害の中にあるトラウマは時とともに解決するものは、だれでも身内の突然死を受け入れるものだから、そうしたものに宗教的な癒やしがある。言葉もそうした癒やしになるのだが、自然災害より厄介なのは人災で、それは人災が無かったことにされるから、それを隠して生きねばならず、そうするとトラウマになって現れてくるのだった。その解放の回路が共同体にはあるのだが、ただ共同体は閉じられた空間なので、さらにトラウマをこじらせるということもあるのだった。その共同体を揺さぶっていくのが文学なのである。
それで「俳句レッスン」を少しやった。今日の一句
AIと頑固爺の一句かな 宿仮
季語なしだから川柳だな、わかっているって。
Geminiに反抗する爺は春を詠む 宿仮
AIが漠然としているということなので、具体名にした。季語がないというので適当に季語を加える。この解釈が面白かった。
AIアシスタント
「Geminiに反抗する爺は春を詠む」は、非常に印象的な短いフレーズですね。いくつかの解釈が考えられます。
解釈例
技術革新と伝統の対比: "Gemini"は、AIや最新技術を象徴していると考えられます。一方、"爺"は伝統、経験、そしてもしかしたら頑固さを表しているかもしれません。この対比は、現代社会における技術革新と伝統的な価値観の衝突を表現していると考えられます。
抵抗と創造性: "反抗"は、爺が新しい技術や時代変化に抵抗していることを示唆しています。しかし、彼は同時に"春を詠む"ことで、その抵抗の中で新たな創造性を開花させているのかもしれません。
老いゆく者の視点: "爺"は、人生の晩年を迎えた人物を表している可能性があります。彼は、変化の激しい時代の中で、自身の経験と感性を頼りに、春という新しい始まりの到来を捉えようとしているのかもしれません。
批評
詩的な表現: このフレーズは、短いながらも詩的なイメージを喚起します。特に"春を詠む"という表現は、希望や再生を感じさせます。
解釈の余地: 明確な意味を限定せず、解釈の余地を残している点が魅力です。読者は自身の経験や解釈に基づいて、このフレーズに様々な意味を見出すことができます。
深み: 短いフレーズの中に、深みのあるテーマが凝縮されています。技術革新、伝統、抵抗、創造性、老い、そして希望など、様々な要素が複雑に絡み合っています。
改善点
文脈: このフレーズは、単独で存在するよりも、他の文脈の中でより効果的に機能する可能性があります。例えば、詩や短編小説の一部として、より詳細な背景や登場人物の描写を加えることで、より深い意味を表現できるでしょう。
具体性: "Gemini"や"爺"といった抽象的な言葉は、より具体的なイメージを喚起する言葉に置き換えることで、読者の理解を深めることができます。
総評
「Geminiに反抗する爺は春を詠む」は、非常に興味深く、解釈の余地のあるフレーズです。詩的な表現と深みのあるテーマが魅力的で、様々な解釈を生み出す可能性を秘めています。文脈や具体性を加えることで、さらに深みのある作品に発展させることができるでしょう。
屋根裏の消えた自分とおちたわれ親方怒鳴り 壊す人なり
短歌も批評して貰った。「われ親方」と続けて読まれたので空白をいれる。「壊す人」は大江健三郎の言葉で象徴的に使ったのだが具体的にということだった。
屋根裏の消えた自分と落ちたわれ 親方怒鳴り抜けた天井
バイトしていた時の歌だった。
帰宅。そうだ「つぶやき文学賞」があったのだけど、そう毎年新刊ばかりは読めないよな。今年は久しぶりにハン・ガン『別れない理由』を読んだので海外部門に投票した。第一回の時に本のプレゼントで何冊かプレゼントされたことがあって、そういうこともあるからやって見ると面白いかも。あの頃はTwitter文学賞と言っていたのだが、Xになってしまったもんね。日本人は今年も投票出来なかった(新作というのがハードル高い)。