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「昭和史発掘」は松本清張ジャーナルだ!

『新装版 昭和史発掘 (1) 』松本清張(文春文庫)

内容説明
厖大な未発表資料と綿密な取材によって、昭和初期の日本現代史の埋もれた事実に光をあてた不朽の労作が新装版で登場。政界に絡む事件の捜査中に起きた「石田検事の怪死」、部落問題を真正面から取り上げた「北原二等卒の直訴」、他に「陸軍機密費問題」「朴烈大逆事件」「芥川龍之介の死」など五篇を第一巻に収録。圧倒的な面白さ。
目次
陸軍機密費問題
石田検事の怪死
朴烈大逆事件
芥川龍之介の死
北原二等卒の直訴

「石田検事の怪死」は『砂の器』のヒントになったような鉄道死体置き去り事件。そうちょうど少女誘拐殺人が鉄道に放置された事件があったので犯人は清張ファンかなと思ったものだった。

政治が汚職とか賄賂とか乱れていた時期で社会状況も似ている感じがする(2018年当時、震災後の日本)。右傾化していく傾向も。

「朴烈大逆事件」天皇の暗殺を企てた朝鮮人の朴烈と愛人である金子文子が尋問中に膝上に抱かれた写真が出回ってスキャンダルになった。愛人関係の二人の自白を引き出そうと検察がアメを与えた。

その後に別々に尋問して最初は拒絶していた朴烈だが金子文子がもうひとりの逮捕者の女の自供に釣られて自白した。金子文子はその後に自伝も書いて刑務所内で自害する。朴烈は終戦まで生き続け釈放。その後に在日の民族運動とかに関わるがぱっとしなかったようだ。

「芥川龍之介の死」も愛人スキャンダルが暴かれていくが松本清張は芥川は本を読みすぎて厭世的になったとか。それは逆だと思うけど。(2018/06/19


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