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デジタルのダンス映画よりフィルム映画の暖かさ

『エンドロールのつづき』(2021年/インド=フランス)【監督】パン・ナリン 【キャスト】バヴィン・ラバリ,リチャー・ミーナー,バヴェーシュ・シュリマリ,ディペン・ラヴァル

「エンドロール」って「エンディング・ロール」かと思ったら原題は「Last Film Show」で「フィルム映画の別れ」みたいな映画なんだが、スピルバーグ『フェイブルマンズ』のインド版と言えないこともない。そう宣伝しているとこもあるようで。ただこちらはもっとファンタジー寄りかな。映画オマージュ映画としては、先日見た『オマージュ』の方に近いのかもしれない。

インドのインディーズ映画という感じでマサラ映画のアクションも歌も踊りも少な目。全くない訳では無いが、それが映画館の中とか。インドの映画館風景(フィルム映画館だから、昔なのか?)も楽しめ面白い。少年が映画の魅力に取り憑かれるのだが、スピルバーグのように高級カメラや編集機を与えてくれるのではなく、フィルム映画の切れ端から、それを光に当てて映画にしようとするフィルム映画の上映方法に惹かれていくのだった。

少年が映写機もどきを作り上げるのはオーバーなような気もするがそこらへんはファンタジーとして。光を捉えようとする映像が美しい。映画のオマージュだけあって、ラストに映画監督の名前を上げていくのだが日本の監督は小津や黒澤の前に『砂の女』の勅使河原宏監督の名前を上げたのに驚いた。最初に上げていたのが監督がインドのサタジット・レイ監督だったのでそういう映画を撮りたいのかもしれない。

フィルム映画の暖かさ



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