ぐりとぐらから愚痴とぐらぐら世代に
『N/A』年森瑛
LGBT小説なのか?こういう分類するのはいかがなものかと思うが、言葉は分けることで分かるということもある。それがオジサン読書というのものかもしれない。手っ取り早く言えば同性愛(レズビアン的な)小説なんだけど主人公にはその意識はない。一方的な相手の思い込みなのか?
ヒロインは女子校生だが、ダイエットしてないのにモデル体形とか、クラスでの割りと人気者なんだけど特定の彼氏はいらないというような。彼女の求める「かけがえの他人」という友だちは「ぐりとぐら」のような関係というファンタジーなんだろうな。
そんな彼女が教育実習でやってきた女性の彼女のようにSNSでアップされる。彼女はSNSの世界では有名な人気者で推しファンが付くほど。そのツイートはスキが途切れることがなく、そんな彼女にいい人と写真で紹介(隠してはあるのだが、部分で身バレするという)されたのがヒロインの女子高生だった。
今どきのSNSでのやり取りとか、女子高生会話がオジサンの耳には心地いい文体なのかと思う。
女子高生小説に流行りのLGBTとかSNSがテーマとして絡んできていい具合に現代社会の小説になりましたと言う感じでオジサン・オバサン世代から大絶賛の新人賞作品かなと思った。女子高生の通過儀礼的な試練が描かれているのかな。すべての言葉がマニュアルで出来てできるだけ他人を傷つけないように距離を取って生きているけど社会人のお姉さんからはしっぺ返しされるし、友人はいいやつみたいな。今どきの女子高生の小説なのかなと思ったけどそれ以上でも以下でもなかった。青春を過ぎた年頃には眩しく映るわけで。
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